もう、君はいない。SZ.KN (ページ2)

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「...え」

後ろからかかってきた、優しい声にびっくりしてふり返る。

「...泣いてるじゃん。」

誰もいないと思ってたのに...

いつの間に...

「あ～分かった。
君、いじめられてんだ！」

ｷﾞｸｯ

「やっぱり。」

「...なんで分かるの？」

「いや～なんとなく。」

なとなくって...

でもこの時間に中学生が公園にいたら、普通おかしいし。

「...ねえ、じゃあ俺の学校に来なよ！
ほら、そこの学校。」

男の子は公園に近い学校を指さす。

「俺は、めんどくさくて行ってないんだけどさ。
一緒に行こうよ！」

「...!」

嬉しい。

私が今まで言われた、どんな言葉よりも。

「うん！」

涙目だけど笑ってみせた。

「...そういえば、まだ聞いてなかった。
俺は健人。君は？」

「奈菜だよ。」

「奈菜、か...」

健人くんは立ち上がる。

「学校来いよ！」

太陽みたいな眩しい笑顔だと思った。

「約束な！」

そう言って健人くんは、公園を出ていった。