君に心から笑える世界を7

悲劇のヒーロー10 ページ10

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宿儺は息絶えた鈴子を抱きしめる。





『……赦さぬ……鈴子をこんな目に合わせた事も……村の連中を殺した事も……全て……全て…！…呪ってやる……』




宿儺はそう呟く。




史典は複雑な表情で宿儺の姿を見つめた。



愛する女と大切な仲間達を一度に失ったのだから仕方ないと思いながらも、今なら関係ない者まで皆殺しにしてしまいそうな宿儺…朝の者達はなんと愚かなことをしたのか……





そう史典が思っていれば、村の外に200を超える人間の呪力を感じる…中には術師もいるようだ……




史「宿儺殿っ！北へお逃げ下さい!!!!追手がすぐそこまで来ております。」





史典は宿儺へ声をかける。




『構わん……俺が皆殺しにする……』




と刀を持って出ていく宿儺。


(……これが宿儺に起きた過去……)


宣言通り宿儺は敵軍を皆殺しにした。




宿儺が持っていた刀を降ろした時だった。







ヒュンッ！ヒュッ！




と宿儺めがけて矢が降ってきたのだ。





宿儺は避けようとするも間に合わない。






ドンっ！





宿儺にめがけて何かがぶつかる。






宿儺の先程立っていたところには、何本も矢が刺さった史典が倒れていた。







『…っ！…史典！』






宿儺は矢を放った敵を術式で燃やすと史典に近づく。





『史典！』





宿儺が名前を呼ぶが史典は既に息絶えていた。









自分を慕ってくれた村の仲間達、愛する女性、心をゆるせる友人を一度に失った宿儺……宿儺は怒りと憎しみにより我を失った。







人間が憎い………！…人間を殺せ………！





赦さぬ………！…許さぬ………！





私の中にも流れてくる怒りと憎しみは、一部のもののはずなのに気が狂いそうになった。



(………こんな感情……そりゃあ……呪いの王と呼ばれる程に力をつけるわけだ………)






そして、討伐されるまでの間、宿儺はたくさんの人間を虐殺した。









たくさんの呪術師が宿儺に対抗し命を落とした。
その中で、裏梅などの宿儺につくものとも出会い行動を共にしていたようだ…









そして、宿儺は朝廷から派遣された、武神とも呼ばれる男により拘束され、抵抗するも首を落とされ、その生涯を終えるのだった………









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