君に心から笑える世界を7

悲劇のヒーロー8 ページ8

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翌日、史典は時間通り、巳一刻頃に宿儺の家を尋ねてきた。





宿儺は刀を手に取り、部屋を掃除する鈴子に行ってくるとキスをする。





鈴子は顔を赤らめながら、行ってらっしゃいませ…と宿儺を見送った。






道中、史典の最近産まれた子どもの話になれば、宿儺は鈴子も懐妊したと史典に報告した。




史典はそれはたいそう喜び、早く悪鬼を倒して祝いをせねばな！と笑った。







目的につけば、悪鬼を早々に退治する宿儺。





花御程の力をもつ悪鬼を史典と1時間もせずに倒した。




史典は宿儺にやはり私ひとりでは難しいかったな……と宿儺にお礼をいう。





そして、2人はまた来た道を戻り村へと向かった。







少し日も西に傾いてきた頃、宿儺達は村へと着いた。



2人は村につくとすぐに違和感を感じる……


人の気配はせずに静か過ぎるのだ……





いくら村の外れの方とはいえ、あまりにも静か過ぎる。





史「宿儺殿……静か過ぎはしまいか？……」



そう言う史典に宿儺は頷くと、自宅で自分の帰りを待つ鈴子の安否を確認するため走り出した。






宿儺は自分の家の戸を開けると




『鈴子！鈴子！いないのか？！』



と声をあげるも返事は無く、辺はシン…としている。





宿儺は家に入ると、一部屋一部屋を確認していく。




どうやら荒らさせた形跡とかは無さそうだ…。






史「すっ宿儺殿っ!!!!大変だっ!!!!」





慌てて家へと入ってきた史典の顔は真っ青だった。





『何があった？』



宿儺は史典に近づく。




史「落ち着いてくれ……他の家の様子を見に行ったら……皆……殺されていた……男も女も…子どもすら……村の南の方は特に遺体が多くあった……賊か！？」





そう言う史典の横を通り、宿儺は村の南へと走って向かう。






村の南に近づく程に、鉄の臭いが充満する……



皆…矢を打たれたり、刀で切られたようだ……







しかし、遺体を見て回るが鈴子の遺体や若い村の娘達の遺体が見当たらない。






史典は宿儺の後を追ってくると


「宿儺殿！私の式神は鼻が利く！何か匂いの分かるものがあれば、その匂いを追わせよう！」




宿儺は自分の懐から鈴子に昨日渡された手ぬぐいを出す。
史典の式神はその匂いを嗅ぐとワンっと吠えて村の外へと走り出す。









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