君に心から笑える世界を7

君に心から笑える世界を8 ページ29

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悟達の前の席には、虎次郎さん・千鶴子さん・傑のお父さんとお母さんが立って微笑んでいる。


虎次郎さんには、高専を辞めてからもたくさん支援してもらったし、本当にお世話になった。
定期的に様子を見に来てくれて、美々子と菜々子も虎次郎さんをおじいちゃんと慕っている。
口も態度も悪いのは変わらないけど、本当にたくさん恩がある。
私も何かあれば相談してしまう程信頼し、尊敬する人だ。



千鶴子にも、虎次郎さん同様に本当にお世話になった。
美々子と菜々子が小さいうちは子育てを手伝ってもらったり、色々教えてもらったりもした。
美々子と菜々子も千鶴子さんが大好きで、今でもおばあちゃん家泊まりに行ってくると千鶴子と虎次郎さんの家に泊まりに行くくらいだ。



そして傑のお父さんとお母さん…
身寄りのない私に自分達を本当の親だと思ってくれていいからねと私を温かく迎え入れてくれた。
美々子と菜々子の子育てにもたくさん協力してくれたし、本当に血の繋がった孫の様に接してくれた。
本当に感謝してる。




そして虎次郎さん達反対側には時雨さんと私に笑顔で手を振る美々子・菜々子・津美紀。


甚爾が亡くなってからも、私を気にかけて色々と情報をくれたりしてくれた時雨さん。
時雨さんの気づかいのおかげで、私は甚爾やお母さんにたくさん愛されてた事を自覚した。
私も何か情報が欲しい時はすぐに時雨さんを頼ってしまうくらいに信頼できる人だ。
今となっては私の良きビジネスパートナーでもある。



津美紀…私を姉として慕ってくれた。
姉として恵の傍にいてあげられなかった私の代わりに、恵を正しい道へと導き続けてくれた津美紀。
人のために行動できる心優しい津美紀が、私の妹で本当に良かった。
愛してるよ…津美紀……




美々子…菜々子…私の可愛い子…。
血の繋がりが無くても、私達は間違いなく母娘で家族だ。
美々子と菜々子のおかげで私は人間として成長できたし、たくさんの幸せな思い出を作れた。
はじめての子育てでたくさん辛い事もあったし、たくさん悩んだ。
それでも、2人の成長が私にはとても愛おしくて、何かある度に、あなた達の母親になれた事に心から感謝した。
私達と出会ってくれてありがとう……
私達の子どもになってくれてありがとう……
心から……愛してるよ。







ゆっくり…ゆっくり…と歩けば目の前には私に微笑む傑。

私と恵が歩むのを止めれば、傑は恵にお辞儀をした。






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