帯刀“鶴丸国永”

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「いいですか、ひとつお守りして頂きたいことがあります。」


「なんでしょうか」


「真名を、本名を知られてはいけません。管狐のこんのすけにもです。神隠しは、死とおなじですからね」


神隠し……か。神刀でもあるのか？


「あ、着きました。こちらです。」



そういい、案内されたのは日本家屋。
随分と良さげの雰囲気で、でも……黒く澱んだ何かが奥に潜んでる。


役人は玄関をあけ、こんのすけ とやらを呼びすぐさま出る準備をする。


「では、細いなことはこんのすけから！」

「おい、待てよ。なんで逃げる！！！こら！！！」

結局逃げ足だけは立派で取り逃してしまう。



煤だらけのこんのすけ。
目線を合わせるようにしゃがみ挨拶をする。


「遅ればせながら、挨拶をさせてもらうね。
私は……そっか、真名を教えてはいけないんだっけ？


決まらないから適当に呼んでよ」


ネーミングセンスは皆無だ。
故に何故か、その、恥ずかしい。


「審神者様……その、く、管狐めが言うのもおかしいとは思いますがけど、
審神者名はなるべく早めにお決めにならないと」

「そっか。ありがとうね。一緒に考えてくれるかな？
あと、この本丸を案内して欲しい」


「は、はい！
審神者の業務についても私めが！」



「ありがとう。そう固くならなくてもいいよ。」


手を翳し、頭を撫でる。





ビクッと反応したのは……ここが俗に言うブラック本丸だからなのだろうか。

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