金色の将軍と忘却の白薔薇【ドラクエXI】

（9） ページ11

「良いですか？！
今は目の前の敵に集中するのです！！負けは愛する者へ哀傷を与えると思いなさい！！！」


先刻と比べ明らかに雰囲気が変わったA
タレ目だがその目はいつもよりもキリッとしていた。

あの日、デルカダールの地下牢獄で会った時と同じ表情。


戦力が増したことに嬉しみを覚えるが、それと同時にオレの野望もここまでか…と思ってしまう。


(愛する者への哀傷……か。)


コイツは人の心の掴み方を知っている。
あぁ、なんだかすげえ……怖ぇよ。



「くっ…！」

「新兵…ですか？大丈夫ですか？
集中しないとこの戦は突破できません…仕方ない。」


イレブンがアイツの子分にやられるのをみて…いや、イレブンをみて新兵ですかって、なんか嫌な予感がするな。



「ドルマドン！！！！」


おいおい、アレって超上級魔法じゃねぇーかよ…はは、マジか。

適わねぇ。


魔力を使い果たしたのか、魔物が倒れるのと同時に倒れるA。


正直、倒れてくれてよかったとさえ思ってしまう。

だって、コイツがこのまま我に返ったら今度こそ罰せられちまうだろう。

「Aさん！！？」

「A！！」


あの呪文に流石のベロニカも驚いたのかすげえ顔してる。


そして、ルコの父であるルパスを助けたオレらはAを抱えて再びホムラの里に戻ることに。


早く目を覚まして欲しいという思いと覚まさないで欲しいという思いが心の中で葛藤する。

前者は心配して。
後者は保身のためだ。

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