私は ページ15
「オレ達は貴方を攫いに来た。」
初めて見た視線は私を懐かしむ視線で__。
「盗賊の嗜みとは…クロロくん。
物に心が惹かれるように物も自分に心惹かれることなのだよ。まぁ、これは私にとっての嗜みだからね。」
「Aさん。」
「大きくなったね、クロロくん。
そんなキミにひとつ聞きたいことがあるんだよ。
なぜ私の性を名乗る？」
彼は確か姓がないはずだった。
自分でつけるにしても…なぜルシルフルを名乗った？
「あの頃のオレにとって…いや、今もだが。
A＝ルシルフルという存在は耽美なものだ。
親に捨てられたその日、絶望を知る前に貴方という天使を見たんだ。オレもその美しさを背負いたかった」
感性は人それぞれで。
別に、ルシルフルという苗字がカッコ悪いと言いたかったわけじゃない
先代に失礼だからね。
と言うか…
何故だろうね 今はすごく幸せなんだ。
「キミは何かと私を美しいと表現してくれるが 先にも言ったろう？私は血を浴びた汚い人間だと。」
「血を浴びる人間なんてこの世にごまんといる。
オレもその人間のひとりだ。宝のためなら殺すことだってためらわなかった。」
両親を殺すためになったハンターという仕事。
なのに、なんで私は人殺しを続けていたんだ？
「でもキミは絶望を知らないから…綺麗なままでいる。お前の目は美しいぞ？」
「言っただろ？Aさん…貴方の全てを盗むって。
この人数でどうやって逃げる？オレと共に来てほしい。」
「蜘蛛の幻影を知っているか？全て念糸でカットしてしまう。
人間の身体を。」
「それになんの問題がある？見せかけでもいいんだ。
オレと一緒にいてほしい」
「キミは今年で幾つになった？」
「23だよ。」
10も年下で…未来が輝いてる彼が何故こんなババアにそんなことを言うんだ？
仕方ない、言っても折れそうにないし。
「ちょっとだけだよ。」
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ヴィズ(プロフ) - 葉都利さん» わざわざコメントありがとうございます。励みになります。 (2018年9月29日 21時) (
レス) id: 54e78712b9 (このIDを非表示/違反報告)
葉都利(プロフ) - とても面白かったです。完結おめでとうございます！お疲れ様でした。 (2018年9月29日 21時) (レス) id: d7f528593b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヴィズ | 作成日時：2018年9月17日 22時
