金色の将軍と白薔薇の騎士【ドラクエXI】

（32） ページ34

何か、大事なことを忘れてる気がする。


「しまっておいたんだ、“レッドオーブ”」

ズキン


レッドオーブ？聞き覚えがある……なんだっけ？
私、大事な事忘れてる気がする…。

あれ、私の愛しい人は？


「A？どうしたの？」

「イレブン…ううん。なんでもないの、カミュ。そのレッドオーブってどこにあるの？」

「あぁ、ついてきてくれ。」


(こいつに記憶を思い出されるとオレとしては厄介だな…。記憶喪失にはNGワードというものがあるんだろ…？)

「Aは、何歳なの？」

「私？わかんない。Aっていう名前しかわかんない。イレブンはいくつ？」


「16歳だよ。
ボク、Aさんと仲良くしたい」

「私なんかと？こんな薄汚れた私と仲良くなんかしちゃダメだよ？」


(薄汚れた…？どういうことだ。)


「？Aさんは綺麗だよ。」

「ありがとう、でも私は汚い。」


あれ？なんで汚いんだっけ？

「どうしたの？」


「なんか、悲しくなっちゃうな〜。
私、すごく大事なことを忘れてる気がするの。愛しい人を忘れてる気がする。どうしてかな？」


「まァ、そういうのはおいおい思い出せばいーんじゃねーの？」

「カミュ…そうだよね。
じゃぁ、そのレッドオーブの所に行こ？」


(にしてもすごい変わりようだな。)
(これが本来のAの姿ってことか。)

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