君は今 ページ48
os side
年を取らないというだけで不気味なのに、例の女の事を哀れんでいるゾムの姿が疑問でしかなかった。
しかも八岐大蛇に関する一番の証拠がその女なのだ。妖力のせいか、はたまた八岐大蛇の術か何かかは知らないが、年を取らないとはどういう原理と理屈なのか。はっきり言って気味が悪い。
全体を見ていたオスマンは眉をひそめていた。しかもぬらりひょんはゾムの事を思っていた以上に信頼しているようだ。
これは不味いな、とオスマンは感じていた。
トントンが脱退騒ぎを起こした時、この組織はもう終わりだと、本気で考えた。誰よりもグルッペンとトントンを近くで見てきたつもりだった。
今まで喧嘩や言い争いはあったものの、トントンが本気で脱退を宣言するなんてことは一緒にいた長い時間の中で、一度もなかった。
それだけ八岐大蛇の事は、深刻で厄介な問題だと、オスマンは頭を悩ませた。
一度だけ、八岐大蛇と相見えた瞬間があった。情報収集を生業としていた時だった。
あれは妖怪とは思えないほど、凄まじい存在だった。神様とは似ても似つかない、例えようのない存在。
こんな相手に絶対勝てない、勝つと思うことすら愚かなこと、再び相見えれば命はない、もう二度と会いたくはない、とオスマンは心に焼きつけた。
だがオスマンの思いとは裏腹に、グルッペンの野望が叶えられるかのように状況が動き出した。
かつての英雄、ぬらりひょんまで登場するとは思っていなかった。調査が進んでおり、八岐大蛇まで手が届きそうだった。会議を終えた後、グルッペンの元へ向かった。
os「俺は絶対死にたない。絶対、八岐大蛇に会わない。」
グルッペンにそう告げた。だが鼻で笑われた。
gr「なら、組織を抜けるといい。」
os「俺はグルッペンに死んでほしくない。」
そう言うと、グルッペンは大声で笑った。そして言った。
gr「私は死なない。絶対に。」
何も分かっていない、と怒りで全身が震えた。だがグルッペンは軽い気持ちでそんな言葉を言う人ではないと分かっている。何も言えず、グルッペンの部屋を飛び出した。すると、驚いた様子のトントンが廊下にいた。
tn「オスマン…。」
トントンの様子を見るに、どうやら会話を聞いていたらしい。
os「トントン、俺は…！」
tn「…オスマンが感情的になるなんて、珍しいこともあるもんやな…。」
自分の思いを叫ぼうとして止めた。トントンの肩が震えていた。
ああ、そうだった、とオスマンはハッとした。
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舞茸(プロフ) - お待たせいたしております(-_-;)子供の新学期準備に、謎の喉の違和感と咳に投稿が滞っておりました。お楽しみ頂いている方には、本当にお待たせしてしまい、申し訳なく思います(_ _;)これからどんどん投稿してゆきます！！読んでいただき本当にありがとうございます！ (2022年4月27日 0時) (
レス) id: b96c8fba01 (このIDを非表示/違反報告)
レイ - 次の投稿楽しみにしています。お体にお気をつけて (2022年3月30日 21時) (レス) @page32 id: 2020323a87 (このIDを非表示/違反報告)
舞茸(プロフ) - 気づくのが遅くなり、申し訳ありません！！わざわざ投稿、ありがとうございます！！育児中のため、更新が遅いです、ご了承下さい。ですが感想頂くだけで、とても励みになります！投稿、頑張ります！ (2022年2月18日 1時) (レス) @page32 id: b96c8fba01 (このIDを非表示/違反報告)
鴉 - ゾムさん、かっこええ...。 (2022年1月20日 12時) (レス) @page23 id: 9e2a714ff1 (このIDを非表示/違反報告)
ロクロ - 面白い！見つけられてよかった！ (2021年12月22日 18時) (レス) id: 9754f34744 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：舞茸 | 作成日時：2021年11月7日 22時
