let me fly

21 tj ページ21

デビュー曲構成のスタッフは
もう決まっていて

メイクはAさんがしてくれるらしい



控室に戻り
みんなでワイワイしてると



廊下を歩くAさんを見つけた




みんなの輪から抜けて
廊下に出る





tj「Aさんっ」



俺の声に一瞬足を止めた


けど


振り返らず、また歩きはじめた



さっきので怒らせた？



空き部屋に入ったAさんを追いかける


tj「待ってくださいよ」




「タジ、さっきのはだめだよ」




tj「すみません…つい…」





「タジ、あなたは選ばれたの


　INIとしてデビューするの


　今までの事を考えたら分かるでしょ？


　スキャンダルがどれだけ重要か」




tj「すみません…」






「ちゃんとデビューして


　世界から認められたら


　その時に



　タジの願いを聞かせて？




　その頃には

　私はいなくても
　輝けてるかもしれないけど…」




もしかしたらAさんは

俺の気持ちに気付いていたのかもしれない




Aさんが

俺のことをどう思ってるかは

分からないけど



俺のことを、俺らのこれからの人生を

大切に考えてくれている


それは確かだった







「洸人くんも、入りなよ」



tj「え、」



hr「すみません…

　 盗み聞きするつもりはなかったんですけど」

　


ドアの後ろから現れたのは
洸人くんだった

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