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待つこと、1時間。
裕太から
連絡が返ってきた。
___ごめん、今日用事あるんだけど急ぎ?
....だよね?
文面的にも怒って無さそうだし
とりあえず、チョコの袋を
ドアノブにかけて
帰ろうと、エレベーター待って
その間に、裕太へと連絡を入れておいた。
___また、今度でいいよ。
送信と押すと同時に
開いたエレベーターの扉。
顔上げると
幸せそうに笑う
スタイルも良くモデルさんのように美人な
女の人とその子に微笑み返す裕太。
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「あ、」
「裕太?」
「A?」
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慌てて携帯確認する裕太。
居るはずもない人がいて焦るようで
そりゃ、何も伝えず来た
こっちが悪いかも知れないけど
無性に腹立って。
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「急ぎの用事でも無いから帰るね。
邪魔してごめんね?」
裕太に言い残し
裕太がさっきまで
女の人と楽しそうに乗ってた
エレベーターに1人で乗る。
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歩いて帰る気にもなれず
タクシーでも拾おうかななんて思ってたら
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「A!」
名前呼ばれて
振り返ると裕太が居て
「チョコ、あれ何?」
「あれ、もう見ちゃった?」
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あのチョコ作りながら
裕太に気持ち伝えようと
浮かれてた自分が恥ずかしくて
顔見れずにいると
無言で腕掴まれて
そのままマンションへと
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「今年は、市販じゃなくてびっくりした。」
「何でよ、」
「あ、例の彼氏に作ったから
今回は、全部手作り?」
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まだ、誤解してる裕太。
でも、裕太彼女居るわけだし
伝えなくてもいい....?
エレベーターの中で
目を瞑る
やっぱり思い浮かぶのは裕太。
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「目瞑った時に1番に思い浮かんで
会いたいなって思うのって好きな人なんだって。」
「うん。」
「何回目瞑ってもね
1番に思い浮かんで、会いたいと思うのは
裕太なんだ。」
「……、」
「彼氏いるなんて嘘。
裕太に見栄張っちゃっただけ。」
「何それ。」
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隣に居る裕太の顔が見れなくて
どんな表情してるのかも分からなくて
エレベーターで最上階に行くのって
こんなにも、時間かかったっけ?
俯いてたら
ぎゅって引き寄せられた体。
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作者名:もりた | 作成日時:2017年2月14日 19時