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ここで座ってて、と言われ
ぼんやりと風で揺れ動く花を見詰めながら待っていると、
自販機で買ったコーヒーを持って来てくれた彼。
「ありがとう
…ねえ、いいの？2人っきりで居て」
「別にいいよ
まあ、生徒に見つかったら問い詰められるかも知れないけど」
.
人の目を気にせずに私と居てくれるあさみん。
生徒に見られたら冷やかされるかも知れないのに…
「実はさ、今週あんまり会えないと思う」
「忙しい？」
「うん、行事が色々と重なっててさ
もう忙し過ぎて嫌になるよ」
受験生を受け持っている以上、
誰よりも責任を感じているのだろうと思う。
その感情を表に出さない彼は本当に尊敬できる。
「じゃあ休みの日会いたいな」
「そうだな、休日どうしようか？
Aどこに行きたい？」
あさみんと行けるならどこでも…！
と思わず口を滑らしそうになるけど
ここはグッと堪える。
けどいい案が浮かばない。
「まあ、考えといて」
「分かった」
頭をポンポンと優しく叩かれ、照れてしまう。
すると向かい側にサッカー部であろう生徒達が近くを通りかかり
思わず目を逸らしてしまう。
.
「あっ浅見じゃん」
「え？女といるじゃん！！」
「あっさみーんついに彼女出来たか〜」
にやにやと私達の方を見ながら
あさみんの事をいじ る生徒さん達。
「ったく、子供だな」
「あさみん愛されてるね〜」
「あいつらに愛されるより
Aに愛される方がいい」
.
顔色一つ変えずにそうストレートに彼に言われ
また私は照れてしまう。
こういう所は未だに慣れない。
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作者名：riya | 作成日時：2017年6月9日 23時
