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「…俺頑張るからさ」
「え？」
ふわっと私を抱き締めると
そう言ったあさみん。
「怒ってないの？」
「怒るっていうか…嫉妬した」
「なんであんな仲良いの？」
あさみんがそう疑問に思うのも分かる。
普通の兄妹はあそこまでイチャついたりしないのは確か。
実はまだ彼には話していない、
いや、隠していた事があった。
.
「私…お兄ちゃんと血繋がってないの」
え？と口を開けながら私を見る彼。
この話を知っているのは恐らく友達のにかだけ。
_10年前、親が再婚して苗字が北山になり、
初めてのお兄ちゃんが出来た。
お姉ちゃんは居たけどもう既に１人暮らしを初めてて、
1人だった私の事を兄は沢山可愛がってくれた。
けどそれがエスカレートして今に至る。
「なるほどね、
それなら納得行くけど…愛されすぎ」
「この年齢になったら恥ずかしいんだけどね」
あはは…と苦笑いをしながら
彼にコーヒーを差し出す。
2人一緒にソファに座り、話を進めていく。
「俺、お兄さんに認めてもらうように頑張るよ」
「お兄ちゃんなんて放っといたらいいのに」
「だってさ結婚してもギクシャクのままじゃ嫌じゃん？」
いきなり"結婚"というワードをさらっと口にし
不意にも照れてしまう。
兄はいつまでも意地を張る子供みたいな性格だ。
上手くいくのか心配な面もあるけど
あさみんとなら乗り越えられるかな、
なんて思えた。
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作者名：riya | 作成日時：2017年6月9日 23時
