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ジミンはさっきの私みたいに、上を見上げて目を泳がせている。
ＪＭ「…そっか、俺たちすれ違ってたんだね」
『うん。でも今はちゃんと大人になって、話し合えた。』
ＪＭ「ほんとだね。」
お互いに微笑み合う。
ジミンは何かを考えているような難しい顔をして、また私の方を見た。
ＪＭ「ねぇ、A。俺たちさ、」
やり直さない？って言われる気がしたから
『私ね、』
ジミンの言葉を遮る。
『会社に、いい感じの人がいるの。』
ＪＭ「……………いい感じって？」
ジミンの声は震えていた。
『そのままの意味だよ。多分、付き合うと思う。』
ＪＭ「好きなの？」
『…………うん。』
ＪＭ「何その間？」
返答に時間がかかった私の様子を、ジミンは見逃さなかった。
ＪＭ「もしかして、…俺のこと遠ざけようとしてる？」
『うん。』
ＪＭ「今度は返事が早いのな。」
『今日は、変な意味じゃないってジミンが言ったもん。』
ＪＭ「あ」
ジミンは「やられた」という顔で、口元を押さえた。
ＪＭ「や、そうなんだけどさぁ……ちょっとくらい許してよ…」
『だめ。は〜おいしかった！でもちょっとここ堅苦しくて息が詰まっちゃう。もう出よう。』
ＪＭ「……わかった。」
『いくら？』
ＪＭ「俺が出す。」
『え、やだ。』
ジミンが口を尖らせてこっちを見る。
ＪＭ「やだってなんだよやだって！俺だってやだ！払う！」
『………ぶっ、なにそれ(笑)』
いい大人が駄々っ子のように言うもんだから、つい笑ってしまった。
まぁ、こんなに高いお店を予約したのは彼なんだから、ここは甘えてもいいかな。
『わかったよ、じゃあご馳走さま。ありがとうほんとに』
ＪＭ「うん、分かればよろしい。」
店を後にした私たちは、しばらく一緒に歩いた。
ジミンは手を繋いで来ようとはしなかった。
きっとジミンはいっぱい考えて、私を傷つけないようにしてくれているんだと思った。
チラチラとこっちを気にしているのに気づいて、ちょっと照れ臭かったけど。
高校時代、付き合い始めた時もこうだったなって、そう思うと懐かしい気持ちになる。
駅につき、別れの時が来た。
お互い向き合ってしばらく黙っていると、ジミンは「やっぱ無理だ」と言って、突然私を引き寄せた。
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作者名：uma | 作成日時：2020年12月8日 1時
