幸せになるために【ＪＭ】【ＴＨ】 (ページ33)

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家に着くと、玄関でジンが腕を組んで待ち構えていた。

ＪＮ「おかえり」

声色から察するに、ジンは怒っている。

『ただいま。今日は来てくれて助かったよお兄ちゃん。』

ＪＮ「俺は全然いいけどさ、…A、まさかあいつが来ること知ってたの？」

あいつとはおそらくジミンのことだ。

ジンはジミンにひどく警戒心を抱いていた。

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高校を卒業した日、私は大泣きして家に帰った。

ジンは最初、私が友達との別れを惜しんで泣いているものとばかり思っていて、「また会えるよ」なんて慰めてくれていたが、

話していくうちに、どうやら原因は他にもあることに気づいたのか、じっくりと話を聞いてくれた。

ジンは聞き上手で、ジミンのことを話すつもりもなかったのに、次々と言葉があふれた。

ジミンとはすごく気が合って付き合い始めたこと。

付き合いたての頃は、なによりも私を優先してくれて、そんな優しい彼がとても好きだったこと。

だんだんジミンが他の女の子たちといる時間が増えたこと。

ジミンが別の女の子と付き合い始めたという噂を聞いたこと。

今日は学校ですれ違ったにもかかわらず、話しかけてすら来なかったこと。

洗いざらい話した。

ＪＮ「なんだよそれ、今すぐそいつに連絡してよ。俺が話するから。」

『いい、もう連絡先消したし。』

ＪＮ「え、お前…行動が早いな。」

ジンはやってやるぞと意気込んでいたのに、出鼻をくじかれたようだった。

ＪＮ「じゃあ、もうそいつと会わないんだな？」

『うん、会わないよ。』

ＪＮ「兄ちゃんと約束しよう。」

ジンが小指を出す。

『…』

ＪＮ「ほら、指切り」

『…なんで私とお兄ちゃんが約束すんのよ。』

ＪＮ「お前は俺のたったひとりの大切な妹だからだよ……な？わかったら約束。」

私はジンと小指を絡め、もう一度、大きく泣いた。