モテる彼氏の隣 (ページ10)

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まだ大丈夫ページ10

北斗「あれ？飲み物は？」

走って教室に戻ったものの北斗に言われて飲み物を買ってないことに気付いた

「ごめん、財布忘れた」

財布を手に持ってるのにバレバレな嘘をついた私に北斗はクラスの子に

北斗「明日朝早く来てするから俺たちのする分ここ残しといてもらっていい？ごめんほんとに！」

そう言って私と自分のカバンを持って私の腕を掴んで教室を出た

北斗にはお見通しだろうなって、もう言い訳しても通じないと思ったから抵抗せず歩く

玄関とは違う方向に向かうから「どこ行くの？」って聞くと「サッカー部の前通って帰りたくないだろ」って言って空き教室に入った

北斗が適当に椅子に座ったから私もその隣の席の椅子に座る

北斗「A、そろそろ慎太郎に言いな？」

北斗はなにも聞かずそれだけ言う

「まだ言わないよ、試合終わったらちゃんと言う」

今言って、部活内がギクシャクするのは嫌だ

慎太郎に限って何か悪口言われたりすることはないと思うけど、慎太郎は気にする人だから私にも部活の人にも気遣うことになったら、過ごしにくくなるに決まってる

北斗「Aの気持ちもわかるけど、俺は慎太郎の友達でもあるけどAの友達でもある。Aが辛そうなの嫌」

「ごめん、ありがとね北斗。ちゃんと試合終わったら言うからそれまで見守っててほしい……」

北斗「こんな顔してるA見ても黙ってろって？」

北斗が俯いてた私の両頬掴んで自分の方に向けて、私の目を見てそう言った

「私、どんな顔してる？」

真剣な北斗の目を見て話を逸らしたくて言ったけど

北斗「泣いてるじゃん、」

必死に溜めてた涙が出てきて北斗の親指に掬われた

北斗「……分かった、泣くほど慎太郎が好きなんだもんね。試合終わったら絶対慎太郎に我慢してたこと言いなよ？でももし、俺が慎太郎とあいつの鬱陶しい場面を見た時は容赦なく離れろって言うから。あと、試合は一緒に行く」

少し考えた北斗はそう言って優しく笑ってくれた

「わかった。ありがとう」

北斗「うん。どうする？今日慎太郎と帰れる？」

「……3人で帰りたい」

北斗「よし、そうしよっか」

北斗は私の我儘に立ち上がって私の頭をポンポンしながらそう答えてくれた

北斗「あー擦っちゃだめ！泣いてたのバレるよ」

「北斗ハンカチ貸してー」

北斗「はいはい、まだ時間あるし上の階の自販機行こ」

「ありがと北斗～」