慣れとは恐ろしいものである ページ37
ハクオロ「あああああぁ!!!!」
ガタンと勢い良く立ち上がり絶叫するハクオロ殿。
その後がくりと膝を着く。
そしてその声に何事かと例の目付きの鋭い男が部屋に飛び込んで来た。
?「兄者ッ!?…貴様!!」
問答無用で私に狙いを定め獲物を振るう男。
ベナウィ「止めなさいオボロ!!」
だが彼は止まらない。
私とてエヴェンクルガの一族、
咄嗟に懐から小太刀を取り出して攻撃を受け流すが逆方向からも剣が飛んでくる。
二刀流…!?
しかしその攻撃は…
宇髄「甘めぇんだよ!!」
宇髄殿が自身の日輪刀で受け止めていた。
オボロ「!?チッ…」
宇髄殿と距離を取るとまたも刀を構える。
宇髄「俺様と同じ二刀流か…!」
『すみません、宇髄殿…』
ドリィ「駄目です若様!」
グラァ「この方々は兄者様のお客様です!」
オボロ「は!?だけど兄者が…!」
ベナウィ「2人の言っている事は真実です、刀を納めなさい、オボロ」
オボロと呼ばれたその鋭い目の青年は舌打ちをしつつ刀を納め、それを見届けた宇髄殿も日輪刀を下ろす。
その兄者と呼ばれたハクオロ殿は…
真っ白に見えた…
『え、えっと…?』
ハクオロ「………済まない…気が動転した…そうだ…何故この仮面の事を言わなかった…!気が付かなかった…ッ!!」
心底悔しそうである。
しのぶ「…恐らく、慣れてしまったんでしょうね…そしてそれが"当たり前"になってしまっていたのでは…」
ベナウィ「返す言葉もございません…」
ベナウィ殿も同じだった様だ。
悲鳴嶼「慣れとは、恐ろしいものだな…」
ハクオロ「全くだ…」
エルルゥ「じゃあ、やっぱり…!」
エルルゥ殿は嬉しそうだ。
それもそうだ、自分の主が悪党等と言われれば誰だって腹が立つし怒るだろう。
『では、一先ずラクシャインの件は置いておいて…私達が現れた際の霧、あれが各地にも現れているのは間違い無いのですよね?
霧が現れた場所は判りますか?』
ドリィ/グラァ「はい!!」
ハクオロ「流石だな、教えてくれ」
?「ココ」
広げられた地図に小さな指が乗せられた。
ハクオロ「アルルゥ?」
アルルゥ「ココ、霧出て変なの出て来た」
その言葉に皆が腰を浮かせる。
やはり鬼が現れているという事実と、こんな小さな少女が鬼に出くわしたとは…!!
アルルゥ「燃えちゃった」
指が乗せられた場所は開けた土地で、陽光を遮るモノが無かった為に陽光で焼かれたのか…
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作者名:綺羅 | 作者ホームページ:https://plus.fm-p.jp/u/tukimisou225
作成日時:2022年12月1日 21時