翼の剣士【うたわれるもの✕鬼滅】 (ページ32)

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まさかの… ページ32

『ドリィ殿、グラァ殿、申し訳ないのですが…
どちらかが先に國へ連絡してはいただけませんか？
出来ればその際に荷車等をお願いしたく…』

私達(私や柱の方々)はいいとしても、千寿郎は…
先ず持たないだろう。
槇寿郎殿も持たないかもしれない。
その為に荷車を持って来ていただければせめてお２人は楽になる。
我々には鍛錬になるが、お２人には…特に千寿郎には辛いだろう。

ｸﾞﾗｧ「…そうですね、では僕が荷車か馬車を持って来ます！
ドリィはこのまま皆さんの案内を！」

ﾄﾞﾘｨ「了解！気を付けてねグラァ！」

グラァ殿はウォプタル(ウマ)に騎乗すると、ドリィ殿にそう告げて爽快に走り去る。

千寿郎「は、速い…！」
槇寿郎「馬といい勝負だな…」

ﾄﾞﾘｨ「…ウマですよ？」
槇寿郎「は？」

…そういえば、こちらの「ウマ」とあちらの「馬」は違うのだった…
私も最初は驚いたものだ。

実弥「これのどこが馬だァ！！？」
義勇(………馬？)
しのぶ「…大きな二足歩行する蜥蜴…みたいな見た目ですね…」

ﾄﾞﾘｨ「これが僕達の世界のウマになります」
千寿郎「僕達が知ってる馬じゃないですね…」

ﾄﾞﾘｨ「え！？貴方がたの居た場所のウマと違うのですか！？」

ドリィ殿が驚き私へと視線を投げる。

『ええ、違いますね…私も初めて見た時には驚きましたよ』

苦笑いしながらそう答えると、馬にかなり興味を持っている様だ。

そうして数刻、間に休みを挟みながらトゥスクルに向かっていると、前方から土煙を上げてウォプタル(ウマ)と荷車、そのウォプタル(ウマ)に騎乗した人が数人姿を見せる。
その中にグラァ殿の姿があるのは解ったが、その後ろに白いウォプタル(ウマ)に騎乗している人物が居る。
ドリィ殿はその人物の顔を見て「えぇっ！？」と声を上げた。
…予想外の人物が来た、そんな所か…？

私達の前で立ち止まり、白いウォプタル(ウマ)に騎乗している人物が名を名乗る。

ﾍﾞﾅｳｨ「トゥスクル侍大将(オムツィケル)ベナウィです」

そしてじ…っと私達を見定める様に見て目を綴じる。

『お初お目に掛かります、エヴェンクルガのオウカです。
まさか侍大将自らがおいで下さるとは…』

悲鳴嶼「侍大将？」
『…國の軍の頭…とでも言えば宜しいでしょうか？』
その言葉に一同が固まるが、ベナウィ殿は「お気になさらず」と優しい笑みを浮かべていた。