ep.40 ページ46
あれから週に一度程度北山くんから連絡が来る。
私は相変わらずの日常を過ごしていた
貴「…買い物行こ」
裕太も今日は仕事の為買い物にでも行こうと外に出る。ぷらぷらと町中を歩いていると
聞き覚えのある声の主が私を呼んでいる。
振り返るとそこには
藤ヶ谷さんがいた。
貴「藤ヶ谷さん!お久しぶりです」
藤「あれ、1人?」
貴「そうなんです。藤ヶ谷さんもですか?」
辺りを見渡しても藤ヶ谷さんと一緒にいる人はいなかった。
藤「ちょっと話せる?」
貴「あ、はい」
私と藤ヶ谷さんは少し人気の少ない道を歩く。
藤「北山、彼女と別れるって言ってたよ」
貴「…え?」
藤「彼女の方は了承してないみたいだけど。」
貴「そう…なんですか」
藤「なんで別れると思う?」
そんな質問をされ私は戸惑ってしまう。
わからないです。と答えると藤ヶ谷さんは
藤「好きな子がいるんだと思う」
貴「…」
藤「Aさんも知ってる人なんじゃない?」
貴「どういうことですか?」
藤「自分が1番分かるんじゃないかな。」
藤ヶ谷さんは私の胸をトンと叩く。その仕草が全てを意味しているようで私は何もわからないフリをした。
貴「北山くんは彼女さんのこと大事にしてましたよ。他の人を好きになるなんてないと思います。」
藤「じゃあこれだけは言わせて欲しい。俺、メンバーには傷ついて欲しくないんだ。生半可な気持ちならタマや北山に近づかないで。」
さっきとは違う厳しい目で私を見ていた。
裕太の彼女ってメンバーの皆には言ってあるのに藤ヶ谷さんにはお見通しだったのかもしれない。
裕太との関係を持ちながら北山くんへの気持ちを捨てきれないことも。
だけど今はそんなことを言う訳には到底いかなかった。
貴「私は裕太の彼女です。生半可な気持ちじゃありません。それじゃあ失礼します」
藤ヶ谷さんの元からくるっと向きを変え私は歩き出す。これ以上会話を続けたら全てを見透かされてしまうと思った。
今は裕太に会ってこの気持ちが本当だと確かめたくて堪らない。
忘れたいのにどこか心の中にへばりついて離れない北山くんの笑顔に苛立ちを覚えてしまった
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作者名:とまと | 作成日時:2019年8月14日 19時