ep.39 ページ45
貴「お疲れ様です」
仕事が終わり会社を出る。今日も相変わらず残業をして辺りはもう真っ暗だった。街は街灯の明かりを頼りに光っていた。
スマホに目を向け電車の時間を調べて歩くと人にぶつかってしまう。
貴「すみません…」
ぱっと見上げると
貴「北山くん…!」
ぶつかった相手は北山くんだった。思わず足が竦む。どうしたらいいか分からなくて混乱していると
宏「今日も残業?お疲れ」
貴「あ…うん!北山くんもお疲れ様」
まるで何事もなかったかのように北山くんは普通にしてくれていた。
宏「ここでまた会うなんてデジャブって感じ?笑」
横を見るとあの日初めてあって足を捻ってしまった時に座っていたベンチがすぐそこにある。
あの日が全ての始まりだった。北山くんに出会って仲良くなって、北山くんがアイドルなのを知って私を見つけてサインボール投げてくれて。そして北山くんには彼女がいた。
忘れかけていた思い出がふつふつと蘇ってくる。
宏「ドライブがてら送っていくよ?どう?」
断らなきゃいけないはずなのに断ることが出来ず私は北山くんと一緒に駐車場まで向かった
宏「最初俺高校生に間違えられたな〜笑」
貴「だって童顔だから…」
宏「歳いったらめっちゃ驚いてたの懐かしいな。」
北山くんと出会ったのは夏が始まる前。今ではもうとっくに夏も終わって冬の兆しが見えている。
気づかないうちにこんなにも時間が経っていたんだ
宏「弱いのにお酒いっぱい飲んじゃうのとか、鈍感なところとか俺は好きだけどね」
好き。たった2文字に胸がドキンとしてしまう。
貴「…私もチャラいけど優しい北山くんが好きだよ?」
宏「チャラくねえよ!」
北山くんとはこんな感じで友達になれるのかな?
やっぱり会ってしまえば胸が高鳴るし色んなことを思い出してしまう。
いつになるかわからないけどちゃんとこの気持ちを忘れられる日が来るってそう信じて今はいよう。
宏「やっぱり好きだな」
貴「んー?」
宏「なんでもない。着いたよ」
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作者名:とまと | 作成日時:2019年8月14日 19時