ep.38 ページ44
玉「ただいま〜」
貴「おかえり！」
裕太は今朝言っていた通り夕方には帰ってきた。
裕太はそのままシャワーを浴びに行く。
私はまたリビングに戻り裕太を待っていた。
北山くんの唇の感触が鮮明に残っていて無性に罪悪感を感じる。
でももう今日で北山くんの事はキッパリ忘れよう。二度と北山くんへの気持ちが湧き上がってこないようにきつくきつく心に蓋をする
私の頬を涙が1粒伝う。悲しさなのか自分でも何かわからない涙
暫くするとシャワー室から出てくる音がした
玉「さっぱりした〜」
相変わらず上半身は何も着ない癖は直らない濡れた髪を鬱陶しそうに横に振る姿はまるで犬のようで私は思わず裕太に抱きついていた。
玉「どうした？」
貴「…私、裕太が好き」
玉「フフ…俺も好きだよ」
いつものように裕太は少し笑い私の頭を撫でる。でも今日の好きは違って
貴「そうじゃないの…本当に好きなんだよ」
玉「でもミツは？」
貴「今日北山くんに会ったの」
今日北山くんと話した事を裕太に伝える。そして
貴「私が辛い時傍にいてくれたのはずっと裕太だったし、もうハッキリしようと思えたのは裕太のおかげ。」
貴「裕太がいなかったらあの日そのまま消えてなくなっちゃってたかもなんて思うの。だから」
私が話を終える前に裕太にきつくきつく抱きしめられ、頭上から裕太の声がする
玉「本当に大好きだよ出会った時から。」
貴「うん」
玉「俺と付き合ってくれる？」
貴「…うん！」
裕太は私にそっとキスを落とす。
そのキスは今までの何倍も優しくて甘くて。
恋人同士になって初めてのキス。
キスの端々から裕太の愛の言葉が降り注ぐ。
そして私は意識を失った
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作者名：とまと | 作成日時：2019年8月14日 19時
