167ｾﾝﾁの王子様 (ページ39)

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ep.33 ページ39

「本日、撮影最終日になります！最後までどうぞ宜しくお願いします！」

スタッフさんの一声で最後の撮影が始まる。

「Aさーん！こっちお願い！」

あちこちに呼ばれ仕事をこなし慌ただしく時間はすぎていく。休憩入れます！の声でメンバーは各々のペースで後ろへと歩いてくる。

貴「お疲れ様です～、あ、宮田さんタオルどうぞ」

宮「ありがとう～今日暑いな～」

汗かきの宮田さんは衣装の色が変わってしまいそうな程の汗におおわれていた。
撮影も終盤に差し掛かる。そんな時に。

千「今日楽しみだな～早く撮影終わんないかな」

貴「もう少しですよ！頑張りましょう」

千賀さんも撮影に戻るとスイッチが代わりキレキレのダンスを踊っていた。
ふと裕太の方に目をやるとなんだか眠たそうにぼーっとしている。

昨日久々に行かなかったからちゃんと寝てないのかな。なんて

「撮影これにて終了になりまーす！！！お疲れ様でした！！」

貴「お疲れ様です！」

藤「よし、じゃあこの住所にあと1時間後に集合な？」

二「よっしゃ楽しみー！キタミツ千賀行こー」

裕「A、俺と行こ」

貴「あ、うん！」

今日初めて裕太に話しかけられて少し驚く。メンバーの皆さんもぞろぞろと帰って行った。

私と裕太も車に乗り込む

裕「昨日全然寝れなかった」

貴「どうしたの？」

裕「なんかAいないとベットの中広くて嫌だ」

ムスッとした顔で私を見る。子供みたいなことを言う裕太に不覚にもキュンとした

貴「ごめんね？今日行ってもいい？」

裕太はコクリと頷き車は発車した。車内に差し込む日差しがだんだんと弱くなっていて夏の終わりを知らせる。

貴「裕太、ひと夏の思い出。ありがとね」

裕「俺とはこれからも思い出作ろう？」

裕太の中に私とのこれからがある事が嬉しかった
ただの一夜の関係だと思っていて。だけど気付いたら裕太は私の生活の1部になってた

泣きたい時は察して抱きしめてくれて、ちょっと不器用だけど慰めてくれる。

私はいつのまにかそんな裕太が…

貴「うん！作ろうね」

裕「とりあえずでかい花火買ってこ」

ホームセンターに寄り変わった打ち上げ花火や手持ち花火をカゴに入れる。買いすぎかな…なんて言いながら私達は藤ヶ谷さんに指定された場所に

少しだけ急ぎ足で向かった。