ep.21 ページ28
あれから私は裕太に連れられ事務所に行った。契約書のサインとか言ってたけど
裕「事務所の人には知り合いって言ってあるから」
貴「あ、わかった。」
「こちら契約書になります。印鑑お願い致します」
貴「あ、はい。」
「Aさん、玉森さんとお知り合いだとか？」
貴「あ、そうです」
「どういった？」
ええどうしよう…うーん
貴「昔からの友人…って所ですかね」
なら安心ですとスタッフの方は笑う。契約書にはびっしりと文字が書かれており到底読む気にはなれなかった。
「では挨拶に行きましょうか」
スタッフの方に連れられ他のスタッフさんに挨拶をしていく。
そして最後は
貴「失礼します」
「今回のMV撮影の欠員補充で入っていただきました。玉森さんのお知り合いだということで」
玉「ああ、どうも」
その部屋は以前お会いしたキスマイメンバーの皆さんがいた。
スタッフさんは気を聞かせ部屋を出る。
藤「まさか、Aさんが来るとは思わなかったよ。」
横「Aさん よろ〇△□☆」
藤「え、なんて？」
千「何かあったら遠慮なく聞いてね」
二「千賀さんかっけー笑」
宮「俺もいるよ！」
相変わらず楽しそうなメンバーみんなだった。
玉「優しくしてやってね」
裕太は私の肩に腕を置く。そして
玉「ミツも」
北山くんは唯一こちらに近づいてはこなかった。そして裕太がわざと北山くんの名前を出したのは明確だった。
貴「バカ」
裕太にしか聞こえない声で呟くと裕太はニヤッと笑う。
宏「おう、よろしくなAさん」
ほかのメンバーと変わらない対応に少し同様したけど私はすぐ向き直りお世話になりますと頭を下げた。
貴「では今日は失礼します。また当日お願いします。」
私が部屋を出ようとすると裕太が私に耳打ちする。
裕「いつもの駐車場でまってて。すぐ行く」
私はコクリと頷き部屋をでた。
事務所はとても広く迷子になってしまいそうなほどだった。
MV撮影のスタッフはあくまでも助っ人という形だ
この仕事に関わると言っても一般人であることに変わりはない。
貴「しっかりしなきゃ」
頬をぴしゃっと叩きスタッフの方に挨拶をして事務所を出た。
そして裕太に指定された地下駐車場に向かって私は歩く
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作者名：とまと | 作成日時：2019年8月14日 19時
