ep.16 1/2 ページ21
走って走ってどれくらい走ったか忘れるくらい。
いつの間にか雨が降っていて私のスーツはびしょ濡れだった。
足が縺れてもう走れなくなり私はしゃがみ込む。涙なのか雨なのか汗なのか訳が分からないくらいぐちゃぐちゃだった。
そんな時ふと雨が私を避けた。驚き上を見ると
私に傘を差し出す玉森さんがいた。
玉森さんは何も言わず私を立たせて歩いた。
玉「とりあえずシャワー浴びて」
替えの服を渡されシャワー室へと入れられる。冷え切ったからだにシャワーのお湯が染み渡った。
貴「…シャワーありがとうございます」
玉「髪乾かしてあげるから来て?」
私は言われるがままに玉森さんの前に座りドライヤーをしてもらった。私の髪を乾かし頭に手が触れる度北山くんを思い出して涙が零れそうになった。
髪を乾かし終わりドライヤーが切れる。
玉「行こっか」
貴「え…どこに?」
玉「うーん。ドライブ?」
玉森さんはふっと笑う。いつもシャワーを浴びてベッドに入って、なんて単調な行為だから驚いた。
私は玉森さんの助手席に乗り車は出発した。
玉「言いたくないならいいけど、何があったの?」
貴「何があったというか、私が悪いんです。」
玉「どういう事?」
玉森さんは何が何だかサッパリという感じだった。それもそのはずだった。
貴「玉森さんと知り合う前に北山くんと知り合ったんです。でも2.3回飲みに行った位なんですけど。」
玉「それで?」
貴「北山くんに返さないといけないものがあって家の近くまでお邪魔したんです。そしたら女性の方が来て、北山くんに抱きついてそのまま…」
私はそれ以上話を出来なかった。情けなくてどうにかなってしまいそうで。
玉「何も出来なかったんだ」
私は頷くことしか出来なくて涙が出た
玉「ミツは彼女がいるよ」
貴「…そうなんですか」
玉「Aさんが見た女の人は彼女だと思う」
やっぱりそうだったんだ。もうなにも言えなかった。これで全部終わりだ
貴「…ッ そうですよねアイドルですもんね彼女くらいいますよね笑」
玉「幸せじゃなさそうだけどね。」
ぼそっと玉森さんは言う。だけど私の耳にははっきり届いていた。それ以上は深く追求するのは辞めたけれど。
玉「Aさんはミツの事が好きなの?」
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作者名:とまと | 作成日時:2019年8月14日 19時