愛のメモリー (ページ7)

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たまちゃんはおもむろに立ち上がり、お姉ちゃんの隣の椅子にふたりが向き合う形になるように座り込んだ。

そして、お姉ちゃんに向かってアイーンを連発。

しかも本気のやつ。

突然すぎたのと、完成度が高すぎるそれにわたしは思わず吹き出してしまう。

「A大丈夫？風邪でもひいた？」

「いや、ごめん。大丈夫だよ」

お姉ちゃんはわたしがクシャミをしたと思っているみたいだ。

お姉ちゃんが少し天然なおかげで誤魔化せたから良かった。

チラリともう一度たまちゃんを見てみると、まだアイーンを続行していたからまた吹き出しそうになった。

笑いを堪える為に肩を震わし俯くわたしとそれを不思議そうに見つめているお姉ちゃん、そして全力でアイーンをしているたまちゃん。

まったく奇妙な状況。

だけど、この状況を把握出来ているのはわたしとたまちゃんのみ。

この様子から、やはりお姉ちゃんにはたまちゃんが完全に見えていないらしい。

たまちゃん、あなたは一体何者なの？

わたしにしか見えない存在なの？

どうしてわたしには見えるの？

なんで今までは見えなかったのに、見えるようになったの？

聞きたいこと、疑問はてんこもりだけれど、それより今は笑いを堪えるのに必死でそれどころじゃない。

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