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「俺に感謝してんの?」
「そうだよ、ありがとう」
「じゃあ、てっぺんのいちごちょーだい」
大事に取っておいた最後のいちごちゃんが誘拐されてしまい、口に運ばれ帰らぬいちごに。
おいしー、って満面の笑み。
ぜったいわざとやってるよ、この人。
返して!、むりー!ってじゃれ合って、ふと目が合うとなんだかおかしくなってふふふ、と笑いあった。
残りのケーキ食べちゃおって口にケーキを運んでいると、
「Aー、退院の支度しなきゃだから早めに来ちゃった」
お姉ちゃんがやってきた。
そして、ケーキを食べているわたしを見るなり目をぱちぱちと驚いた様子。
さらに病室内を見渡して、ぽかーんと放心状態に。
「い…いらっしゃい」
「A…あんた…」
入院中に男の子とこんなことしてるなんて不謹慎だって怒られちゃうかな、それともひかれた?
「1人でこんなことしちゃうなんて、よっぽど入院生活寂しかったのね!
お姉ちゃんあまり来てあげられなくてごめんねっ!」
「えっ?」
まだケーキを食べている途中のわたしの元へ駆け寄ってきてギュウっと強く抱きしめてくれた。
まって、どういうこと?
隣にいるはずのたまちゃんの方を見ると無言でケーキを完食していた。
「ひとり…?」
「あー、お姉ちゃんがいるからひとりじゃないか!」
「たまちゃんもいるよ?」
「…たまちゃん?」
「ほら、そこに」
そう言ってたまちゃんを指させば、
「え?…ああ、その猫のぬいぐるみたまちゃんって言うのね」
ぬいぐるみとふたりで退院パーティなんて可愛い事するじゃない、って微笑んでいる。
まるでお姉ちゃんにはたまちゃんが見えてないかのよう。
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作者名:ビックリトマト x他1人 | 作成日時:2019年3月22日 12時