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「ちょっと早いって!」
「しっかり捕まってろって」
「きゃー」
帰り道。
新品の自転車、目の前には大きな彼氏の背中。
青い春真っ只中のわたしを縛るものなんて何も無いようで。
「コラー!そこのふたり乗り降りなさい!」
…法律以外はね。
「やっべ、見つかっちった!逃げるぞ!」
目の前の坂をマッハで下る。
すると、転がっていた石ころをタイヤが踏んでしまい彼の持っているハンドルがぐらつく。
「…やべっ」
その声を最後に遂に自転車は転倒してしまった。
身体のあちこちを打ったみたいで痛い。
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「……んぅ」
目を開けると知らない天井。
まだあまり回らない頭で分かったのは、さっきのデートは夢だということ。
…きっと、これも夢だな。
もう1回寝よーっと。
再び目を閉じようとしたその時、
「わっ!!」
突然視界一面を誰かの顔で占められた。
ビックリして飛び起きると身体のあちこちが痛む。
あれ?夢じゃなかったの?
わたし自転車で転んだっけ?
彼氏は…いないからやっぱ夢だわ。
視線を落としてみると腕に巻かれたギプス。
周りを見渡すとここは病院の一室のようだ。
そして、先程突然顔面ドアップをお見舞いしてきた見知らぬ男性。
ようやく目覚めてきた頭でも理解し難かった。
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作者名:ビックリトマト x他1人 | 作成日時:2019年3月22日 12時