ビジュアル120点

9歩目 ページ10

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Aside


『キヨさんってどんなゲームの実況されてるんですか？』


歩き始めて30分程経ち、スムーズに口が動くようになってきた


ｷﾖ「ジャンルとかはなくって…したいゲームしてるって感じっす」


『へぇ…

私、この生活初めてからずっとゲームできてなかったから…キヨさんの動画見て、最新のゲームに追いつきます！』


ｷﾖ「やっ…

その…自分流行りに乗るのとか遅くて…

最近は着いてってるつもりなんすけど…」


顔を見て話すと時々キヨさんとは目が合う


ただ、目が合って数秒で逸らされる


そして、また目が合う


ｷﾖ「その…Aさんはゲーム好きなんすか？」


『はい、学生の頃はずーっとしてました！

あと…キヨさんずっと敬語ですよ』


笑いかけるとまたすぐに目を逸らされ、キヨさんは前を見る


ｷﾖ「あー……ちょっとずつ…？」


困ったように頭を搔く彼が可愛く見えてしまう


『ふふっ…分かりました

自然に話してくれるの楽しみにしてます』

ー・ー・ー・ー・ー・ー


どれほど歩いただろうか


ただただお互い質問をしたり、最近のことを話したりしていると自然と時間は経っていた


ｷﾖ「えっと…その…

今日は…ありがとう…

仮眠とったらまた、コンビニ行く…から」


散歩開始から3時間程たった今、ぎこちなく私に敬語を使わなくなったキヨさん


『はい！

お待ちしてますね！』


バイト先まで送ってくれたキヨさんにペコペコと頭を下げながらコンビニの方へと足を向ける


ｷﾖ「…あのっ！

A！さん！

良かったら…動画…見て欲しい…というか…その…」


振り返ると耳まで赤くしたキヨさんが目に入る


『分かりました！

家に帰ったら、早速見てみます』


私の声を聞くと少し強ばっていたキヨさんの顔が緩くなる


ｷﾖ「じゃ…また！

会いに来ます、連絡も…するんで見てください」


バイト先に着く数分前に交換したLINEの画面を見せて、私に手を振る


『はい、お待ちしてます』


笑いかけると、今日1番の笑顔を見せてくれた


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