１６． ページ17
「僕……僕さ……、ふたりのこと、とんでもないなと思うことがよくあるし、今回のこともそう思うけど……」
白石がふるふるとふるえながらゆっくりと言葉を紡ぐ。残りの三人はそれをじっときいていた。白石の頬はわずかに赤らんで、興奮しているようだった。昼休みにぽっと湧いて出た、奇妙な非日常の布石に。
「……ふたりなら絶対やってくれる気がする。絶対それ、やりきってね！ 僕のために！」
「俺のためでもあるぞ」とグルッペンは小さく笑いながら答えて、白石の肩を叩いた。俺がちらりと小泉のほうをみやると、「俺は体育祭楽しみなんだけどなあ」としぶりながらも、しょうがない、という感じの顔で俺の肩を叩いてくれた。お前らのエール、しかと受け取ったぜ。
＊
小泉と白石は部活があるので、放課後は一緒じゃない。かくいう俺とグルッペンもだいたいの日はバイトがあるのだが、その日はふたりとも休みだった。なんとなく教室に居残って、向かい合わせに座り、だらだらと時間をつぶす。ただ、無駄な時間というわけではない。議題はもちろん、昼休みに話題に上った体育祭中止のデモについてだ。
「……お前、体育祭楽しみだったんじゃないのか」
いろいろと話をして、じゃあ細部をつめていきますかというところで、ふとグルッペンがそうたずねてきた。俺は「んー」と頭をかきながら、言葉を探す。
「いやまあそうなんだけどさ。俺はなんていうか、楽しいことが好きなワケ」
「騒げればそれでいいってことか？」
「んー、そういうわけでもないけど……。体育祭が好きなのは、楽しいからだ。でもさ、お前のいう通り、あれが差別的……っていうか、人を選ぶ行事なのもわかるぜ。お前も白石も、運動できないわけだし、そしたら楽しくないもんな。あんまり」
「…………」
「まあでも、一番は、そうだな」
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エス(プロフ) - ミオさん» いや私も書きながら「かわいいな……」と思ってました……（真顔）。ありがとうございます！続編もよかったらよろしくお願いいたします！ (2019年10月21日 22時) (
レス) id: 59009a1e5b (このIDを非表示/違反報告)
エス(プロフ) - 豆鳩さん» ありがとうございます＞＜ｗｗｗ高校生らしいお話書けていたらいいな！と思うので天使といっていただけてうれしいです！高校生って天使のようなかわいさ！ (2019年10月21日 22時) (レス) id: 59009a1e5b (このIDを非表示/違反報告)
エス(プロフ) - ロアさん» ありがとうございます！ｗｗｗしかと受け止めました！！ (2019年10月21日 22時) (レス) id: 59009a1e5b (このIDを非表示/違反報告)
エス(プロフ) - 浅葱さん» わーありがとうございます！！grだけでなく主人公までかわいがっていただけてありがたい限りです……！続編に移行しましたので、よかったらそちらもよろしくお願いします！ (2019年10月21日 22時) (レス) id: 59009a1e5b (このIDを非表示/違反報告)
ミオ - グル氏可愛いなぁ..!続き待ってます！ (2019年10月21日 21時) (レス) id: 4083773df2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エス | 作成日時：2019年10月20日 2時
