紫陽花

#3 ページ4

それから会う機会も増え




第二のイベント、スポーツフェスティバルを迎える。




無論今回も生徒会は運営側。




ステージ上の本部に座って




生徒たちの競技を見ていると




哲也先生 : どう？順調？




と隣の空き席に座る彼。





いつもは1席開けて座るけれど

今日は真横。





近い。とても近い。





ドキドキしすぎて口数が少なくなってしまう。





そんな私の気持ちを知らない彼は




自分のクラスの生徒を応援しながら





すげーとかおお！とか





たのしんでる様子。





こんな彼あんまりみないなぁ、新鮮。





と、私の出番が来る。





外で障害物リレー。





A飴食いやって！





と頼まれ仕方なく了承。




リレーが始まり、3走の私の番。




小麦粉の山に容赦なく顔を突っ込む。





女子力のなさ。





…この時は彼もいることを忘れていた。





4走にバトンを渡し、リレーが終わる。




本部に戻ろうとしたら





彼にバッタリ遭遇。





哲也先生 : ブッ、変な顔！！ハハッ





とケラケラ笑う。





ハッと気づいた時にはもう遅い。





必死に配布されたタオルで口元を隠す。





哲也先生 : 隠してももう遅えっつの(笑)





恥ずかしい。





…でも





こんなに大きい声で笑う彼初めてみたかも。





いつもクールで冷静だけど





こんな顔するんだなぁ。





新たな発見？





この時は知らなかった。
こんな他愛のない日々で溢れる彼への好意が









数ヶ月後には全て涙に変わることを。

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