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桜に似た柔い色を乗せた唇が緩やかに引き上げられて、伝えてくれる彼女の方がよほど、と思った。


「……綺麗ですね」



頷き笑う俺に一段と幸せそうに首を縦へ振った彼女は寄り添い、装飾の施されたツリーを見上げ息をつく。

色素の薄い瞳は光を反射しきらきらと輝いていて、彩る世界に目を奪われる幼い横顔に見惚れてしまう。



「来年は、どこでクリスマス楽しめるかな」


「え…」



煌びやかな景色を見つめた彼女の静かな声に瞬くと、俺を見上げた瞳が痩せる。



「ドイツかな、フランス、イギリスとかも楽しそう。北欧もいいし、…生まれ育った日本もいい。」



肩に頭を預け、繋いでいた指先を包むように、反対の手が触れる。




「拓海くんと一緒なら、どんなところでも楽しいんだろうな。」




包み込んだ指先が熱を分け与えて、一言ずつ、大事そうにゆっくりと告げる彼女の声を噛みしめていた。
辺りの喧騒も、耳に残る慣れ親しんだ洋楽も、どこか遠く、微かな世界に感じられてしまう。



「……イギリス、いいですね」


「でしょう?きっと、楽しいよ」



ぽつりと呟いた俺に笑う声は、明るくて変わらない。
イルミネーションよりも、てっぺんで胸を張る星よりも、俺へ光を分け与えるのは、いつだって彼女だ。



「……一緒に、来てくれますか」




反対に俺は少し緊張して、小さな指先を握りこんでしまう。
心臓の音が頭の奥にまで響いているようで、生唾を飲んだ。



「……うん。」




だから、彼女の声が望む甘さを持って俺だけに届く今に、込み上げてくる感情は言葉を探せなかった。


不透明なはずの未来は彼女がいるだけで、願うままを描きたくなるのだ。

ディナーは真夜中を超えて→←・



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設定タグ:藤原拓海 , 頭文字D , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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(プロフ) - 本屋と図書館とガソリンスタンドの匂いが好きさん» お楽しみ頂けた様で嬉しいです〜〜!!ありがとうございます😊❤😍✨ (3月12日 7時) (レス) id: afd02ed077 (このIDを非表示/違反報告)
本屋と図書館とガソリンスタンドの匂いが好き(プロフ) - やばい!!!!やばいです😭😭😭拓海いぃぃぃぃぃいいいい好きだァァァァァ (3月11日 4時) (レス) @page41 id: b9b005fe2b (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - るさん» こちらこそお褒めの言葉ありがとうございます😊💕💕もっと楽しんで頂けますよう更新頑張ります! (11月24日 16時) (レス) id: afd02ed077 (このIDを非表示/違反報告)
- 最高すぎます。本当にありがとうございます😭😭😭😭😭更新楽しみにしてます🥰 (11月23日 8時) (レス) id: 74e8a14f0e (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - わんさん» いにで大好きなのですが余りに供給が少なくついに手を出してしまいました…!お読み下さりありがとうございます💕これからもお楽しみ頂けるよう頑張ります! (11月22日 16時) (レス) id: afd02ed077 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2023年9月29日 15時

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