５０話【 夜 は や っ ぱ り 】 ページ9
どういうことだろうか。
現在午後１１時頃。妖術を発動させてから
約六時間ほど経っている。台風はいつの間にか
止んでいて、少しの間は天気がよかった。のだけれど…
ついさっきから寒さを感じ、
嫌な予感がしたので外を見てみると
案の定霜で覆われていてなにも見えなかった。
このままだと外の捜査はずっと難しいだろうし
そうすればいつ死亡者が出てもおかしくない、
というのが先輩の考えだった。
取り合えず昨日言っていた実験なるものをするらしく
その準備をしている。もちろん私も手伝っているけれど
使う道具からはなにをするか全く想像かつかない。
と言っても道具は木の棒だけで、
他の人はどこかで別の準備をしているらしいけれど。
「よし、道具は揃ったね。ひな、お湯大丈夫そう？」
「うん。ガスコンロあるし問題ないと思う」
「主くーん、こっちも準備できたよー」
いつの間にか重装備で外を飛んでいるゆたゆきさんとはなよいさん。
先輩はそれを確認すると木の棒を手に取りはなよいさんへ渡した。
受け取ったはなよいさんが棒を下が土であろう地面に立てて刺すと、
霜が棒の上へ伝っていき、最終的に全体を覆ってしまった。
そしてひなさんが持ってきたお湯をかけると勿論霜は解け、
棒本体が見えるようになればまだ霜が完全に解けきっていないうちに
地面からひっこ抜き、数秒後には霜が全て解けた。
「なるほどね……地面からか……？」
「地面……？」
なにか考え込んでいる先輩に、集中してるところ申し訳なかったけれど
気になってしまったのでポロっと言葉が漏れてしまった。
「そう。多分この異常な気象変化の原因の妖力は
全部地面を通っている、と思う。」
「えっと……地面にくっついているものは気象変化に影響されて、
くっついてないものは影響を受けない……？」
「そういうこと。ただ、地面と接しているだけじゃなくて
あの木の棒見たいに刺さっていないとだめで、
家とかはコンクリートとかで完全にくっついているから
地面と同じ判定なんじゃないかな。」
「地面と溶接したり完全にくっついてるものは霜がつく……」
「ゆーと、車も霜がついてた。
多分霜と接してる時点でアウトなんだと思う。
霜も妖力で出来てるわけだし」
「そっか……」
とばみさんの言葉に再び考え込んでから、
なにか思い付いたらしく外にいる二人へ
次どうするかを説明しはじめていた
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作者名：ひいら | 作成日時：2019年3月22日 20時
