参・妖月探偵事務所【名前変換オリジナル】 (ページ15)

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５６話【事務所の妖怪達 Ⅱ 】ページ15

「あの、先輩」

「ん？どうかした？」

「ここの妖怪のみなさんは生前は動物だったんですよね？」

「うん。みんなそれぞれその特徴を引き継いでいる」

「それの確認をしたいんです。
前に教えて貰ったけど改めて、と思って。」

「そっか。じゃあそれぞれ言っていくよ。
あ、特徴とかもいった方がいい？」

「はい！ありがとうございます！」

「よし。先ずはなよい。蝶で空を飛べる。
生前とは関係ないけど戦闘に強い。うちの中で一番にね。
ゆたゆきは……」

「燕で、よーちゃんと同じく空を飛べるよぉ」

「そしてしゅさがは犬。爪を鋭くしたりできる。
ひなは蛍。妖怪になってからは特徴が強化されて
体の何処でも発光できる。とばみはコウモリ。
とばみも特徴が強化されて、広範囲の状況を
超音波を使って確認できる。とても細かくね。
とうはは蛙。跳躍力がすごかったり、
手足で壁にくっついたりできる。あと泳ぐのも得意かな。

計六人が、うちの妖怪達。ごめんね、説明が雑で…」

「え、い、いえ！凄く分かりやすかったです。
それに私の方こそ突然お願いしてしまってすみません…」

「謝らないで。みんなのことを知りたいって思ってくれてるのは
僕としてはとてもありがたいことだから、
これくらいなんてことないよ。」

十分分かりやすかったのに申し訳なさそうにされてしまって、
突然お願いした私がするはずの態度を
先輩がしているのに気付いて、慌てて私も謝った。

それに対して優しく返してくれた先輩を見ていると
まだここに入る前、先輩としっかりと会ったことのないときに
先輩は冷たくて少し怖い人なんて思っていた自分を
ぶん殴りたくなってくる。

そんなとき、ふと頭に浮かんだ、よく考えると
とんでもない爆弾発言をポロっと口に出してしまい、
優しい顔だった先輩も、笑顔のゆたゆきさんも
暗い顔になってしまった。

「…あの、どうして妖怪になったんですか？」