参・妖月探偵事務所【名前変換オリジナル】 (ページ14)

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５５話【事務所の妖怪達】ページ14

「さーてと、僕は主くんのところ行ってるけど、いっちゃんはどうする？」

「えっと…着いていってもいい？」

「全然いいよぉ。多分自分の部屋にいるだろうから行こっか～」

一人でいてもなにもやることがないので
なんだか気分が沈む気がしたので付いていくことにしたけれど
付いていったところでやることもないのでどうしたものか。
ただいるだけなのはそれもそれでいい気分でいられる訳がないし
かと言ってやっぱりここに居ますなんてことも言うつもりはない。

先輩の部屋につきゆたゆきさんがノックしてから入ろうとしたのだけれど
ノックに反射的に何かが崩れる音がして慌てて入ると
本が床に落ちていて、それを拾っている途中だったであろう
先輩がこちらを向いていた。

「だっ、大丈夫ですか？！」

「またぁー？そろそろその敏感さ直せば…？」

「直せれば苦労してないよ…
申し訳ないんだけど手伝ってくれるかな……？」

「わかってるよぉ……いっちゃんも手伝ってー？」

「あ、うん！」

三人でやれば本はすぐに片付き、
そのあとにこんなことがしょっちゅうあると
ゆたゆきさんからこっそり教えてもらって
先輩の意外な一面を知ることができた。

「それで、何かあった？」

「んやぁ？ただみっちゃんが怖くて逃げて来たんだぁー」

「…また何かやったのか……」

「えー違うよぉ…ただいっちゃんにとーくんの生前教えただけだし…」

「いっちゃん……？あぁ、なるほどね。
だけって言ったってとばみの性格を考えたらなぁ……」

「うー…」

困ったように先輩に言われ、項垂れるゆたゆきさん。
先程ゆたゆきさんによる先輩のドジ弄りが始まったので、
それをなんとか終わらせてからお茶を頂き、
丸机を囲むように座っていまに至る。

先輩には申し訳ないが弄られているときに
しっかりしてる先輩の意外なところが色々知れたので
少し嬉しかったりした。勿論口には出さないけれど

貰ったお茶は暖かく、飲むとほっこりとして
持っていた緊張感が消えて体の無駄な力が抜けた。
なにかと便利なお茶に感謝しつつ、少し確認したい
ことがあったのでそれについて訪ねることにした。