弐・妖月探偵事務所【名前変換オリジナル】 (ページ8)

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２５話【忠実犬には御注意を Ⅳ 】ページ8

「主様ー、おきて～………」

「気絶させた犯人は主くんを触る権利なんてありませーん」

「な…そ、それくらいいいじゃんかぁ………」

先輩を人差し指でつっつしゅさがさんの手を
ゆたゆきさんがふざけながら先輩から放し、
そのせいでしゅさがさんがまたしてもしゅん
と下を向いてしまった。

それにしてもテンションが上がっただけで人
を気絶させるとはどれ程力がつよいのか。見
たところ、生えている耳などから生前は犬類
だったと思える。

と、そこまで考えたときにふとあることを思
い出した。慌てていたのでおくもさんを机の
上においてけぼりにしてしまっていたことを。
それを思い出した瞬間、振り向いて凭れ掛か
っていた扉を開き、元いたところまで戻った。

案の定困った顔をしていたおくもさんに全力
で謝り、こんどは一緒に先輩の部屋へ向かう
と、突然出ていった私のせいで驚いていた二
人に一言言ってから出ろ、と怒られる。

寝ている先輩を見て当然困惑しているおくも
さんにこうなった理由を話し、またその理由
でも驚いていた。おくもさんの元気な方なん
ですねと微笑みと一緒に言われていたしゅさ
がさんは何故か恥ずかしそうだった。

それから数分後には先輩の目が覚め、四人で
ほっとできたのもつかの間。今はしゅさがさ
んが先輩から説教を受けている。

「だからごめんってぇ………」

「ごめんって言って直す気があるかなんだよ」

目の前では、若干涙目のしゅさがさんと優し
くではあるけれど、怒っている先輩。先程先
輩の目が覚め、ここに運ぶまでの流れを説明。
私は言わなくていいと言ったけれどしゅさが
さんが私に噛みつこうとしたということをは
なよいさんが話してしまった。そこから始ま
ったお説教を、終わるまで見守っている状態だ。

これまでにも、気絶させるまでとは行かずと
も新しい依頼でテンションが上がり色々迷惑
をかけたことがあったらしく、それも重なっ
てとても反省しているらしい。