弐・妖月探偵事務所【名前変換オリジナル】 (ページ6)

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２３話【忠実犬には御注意を Ⅱ 】ページ6

「ほんとに…いいやつなんだけどちょっとね………」

「へ、へぇ………」

その妖怪は、話を聞く限りはひなさんではな
いんだろう。会った瞬間に襲いかかられない
か心配で仕方がないとは言っても何れは会う
ことになるし、一緒に行動することもあるか
もしれないのでここはなんとか耐えられるよ
うに努力しよう。

「ほんとに気を付けた方がいいよー。
さがくんは凶暴だからねぇ………」

「悔しいが同じ考えだよ。
気を付けるんだね、小娘」

「悔しいってなに？！」

「………」

「無視…？」

やはり生き延びれるきがしない。凶暴なんて
喰いちぎられでもしてしまうのだろうか。そ
んな感じでひやひやしていると、先輩がその
妖怪を呼びにいってしまい酷く緊張してきて
しまう。

先輩が入っていった方から、なにかものが落
ちるような音がしたけれど一体どんな妖怪な
のか。前に妖怪になる前は全員生き物だった
というので、凶暴な生物といえば肉食動物と
かしか思い浮かばない。

はなよいさんとゆたゆきさんがなにか話して
いて、同時に頷いたかと思うとはなよいさん
は何処からか刀を生成させ鞘に納まった状態
のまま構えている。ゆたゆきさんは武器は持
っていないけれど私を隠すように前にたっている。

………ということは

「あの………私、死にます？」

「下手すれば。でも死なないでね、いっちゃん」

「………」

言っていることと合わない笑顔で返してきた
ゆたゆきさんに、言葉を出すことができずに
絶句してしまう。今日が私の命日になるのか、
と半分おふざけ半分本気で思っていると、声
が聞こえてきて二人の緊張感が高まったのを
嫌でも感じ取ってしまった。

「ねぇどんな依頼？！俺役に立てる？！
主様のやく………っ」

バァン！！と壊れるんじゃないかと思うほど
の勢いで扉が開き、おくもさんからは小さな
悲鳴が聞こえ、私も驚いて体が少しとんだ。