弐・妖月探偵事務所【名前変換オリジナル】 (ページ3)

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２０話【小さな依頼人 Ⅲ 】ページ3

「なっ、何で私の家なんですか？！」

おくもさんを事務所ではなく私の家に泊まる
ように言った先輩には抗議せずには居られな
く、椅子が音をたてるくらい雑に立ち上がり
声をあげた。

たしかに両親は妖怪などその手のものは見え
ないけれど、同時に妖怪と話していれば私が
一人で何か言っているように聞こえてしまう
ので、悪い意味で心配されてしまう。

と言うよりも何故事務所じゃないのか。妖怪
達も、先輩もここに住んでいると言うのだか
らここに泊まってもらった方がずっといい気
がする。

「申し訳ございません……迷惑ですよね…」

「いえ？！迷惑とかそう言うものじゃなくて、その………っ」

私が嫌がっているように見えてしまったらし
く、しょんぼりとした顔で謝られてしまい慌
てて弁解しようとするけれど、どれも嫌がっ
ていると解釈されてもおかしくない言葉ばか
りが出てきていい言葉が見つからない。

そんな私を見てくすっと笑った先輩を、反射
的睨んでしまい、今度はそちらに慌てて謝っ
た。そして、自分が立っていることを今更な
がらに思いだし、少し遠くに行ってしまった
椅子をこちらに寄せてから座った。

「普段は好きなところに居てもらうんだけど、
流石に小さくて心配なんだよ。
ここらの妖怪に変に絡まれたら困るからね」

「な、ならここに泊まってもらえば………」

「万一のことを考えないとダメだから。
厳重にはしてあるけど依頼人の情報とか、
依頼調査の途中経過の資料とか。
そういうものを保管してるところに入られたら困るんだ。」

「私はそんなことするつもりは………」

「おくもさんがそう言うことをしないのは分かります。
けれどもし誰かに操られでもしたらあなたの意思ではなくとも
情報が漏れてしまう可能性もあるんです」

「それは………」

筋が通っていて嘘には聞こえなく、納得でき
る理由に私もおくもさんもなにも言い返せな
くなっていた。