妖月探偵事務所【名前変換オリジナル】 (ページ10)

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９【妖月探偵事務所 Ⅱ 】ページ10

私が落ち着くまで黙って待ってくれていた先輩。もう大丈夫だと伝えると、安心した顔をしてから申し訳なさそうな声で話始めた。

「ごめんね、驚かせてしまって。
あの二人は……所謂妖怪だよ」

「妖怪……？」

「そう。君はそれらが見える体質なんだ。
けれどそれをこのペンダントで消していた」

「ということは…月霧先輩も…見えるんですか……？」

「まあね。お陰でこうやって事務所を開けている。」

「あ………事務所の人はほとんど妖怪…？」

「うん。ほとんどって言うか人間は僕だけだけどね」

だから依頼解決が早いのに人数が少なく見えたのか。本来人間には見えない、見えない方がいい妖怪を、先輩はこうして触れあって困っているのを助けてあげている。人間も妖怪も頼れる事務所。先輩だから立ち上げることができた、２つの種族が訪れる探偵事務所。

「糸印さんは事務員希望で来てくれたんだったよね」

「は、はい」

「こんなとこだけど。みんないい子たちだから
良ければ来てほしいな。面接はやらないよ」

「………は、入ります…っ」

知ってしまったら、断れなかった。もし断ってしまったらずっと頭から離れないような気がして、またここに来ること以前に外に出るのすら怖くなってしまうんじゃないかと思ってしまったから。なら、ここに入って少しずつ慣れていった方がいい。

私の返答に、先輩は笑顔で返してくれた。

「ありがとう。そしてようこそ、妖と人の集う

妖月探偵事務所へ」