妖月探偵事務所【名前変換オリジナル】 (ページ15)

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１４【お願い Ⅱ 】ページ15

「ごめんね糸印さん。電話入っちゃって……」

「あ、いえ…っ
こちらこそお仕事大変なのにすみません…」

「いやいや。入ってくれて凄く助かってるからそんなこと言わないで」

「主くん人が欲しいって言ってたもんねぇ」

「ゆたゆき……」

「そういえば、友達から聞いていたんですけど…
先輩を合わせて人は二人いるんじゃないんですか？」

「ん、あぁ。それは違うよ。
人にも見える道具を使っているだけで、
その子は妖怪だよ」

「なるほど……」

そんな便利なものがあるのか。確かに妖怪が見えなくなるようになるペンダントがあるのだからそれくらいあって当然なのだろうか。

「さてと、本題に入るけど……まず、糸印さん」

「は、はい…っ」

「チラシちは事務員募集と書いたんだけど……
君は別の……助手的なものをお願いできないかな……？」

「あ、はい………えぇ？！」

漫画であるような返答をしながら、まさかのお願いに身を乗り出して驚いてしまった。

「助手って………え、あの、ホームズで言うと
ワトソンみたいなあれですか………？！」

「そ、そう。そんな感じ」

「いっちゃんテンパってんねぇ」

「だ、だって………っ！！」

事務員募集とあったから応募したのに、仕事内容は全くそれとはかけ離れた助手をやれと言われて驚かない方がおかしいと思う。しかも助手という責任重大なものを入りたての私が務めていいのだろうか。それこそ、私が入るのに反対派であるはなよいさんのような人達がもっと過激になるのではないかと思うと寒気がする。

私の思っていることを察してくれたのか、先輩がもう話はしてあると教えてくれたので一安心。だけれど視線が痛くなるのは間違いないと思う。仕事で成果を出して認めてもらえるまではできるだけ近づかないようにしよう。

「えっと……凄い迷惑かけちゃうと思いますけど……
よろしくお願いします……っ」

「そう言ってくれてよかったよ。
こちらこそよろしく」

「気を付けてねぇ。
妖怪側の助手はよーちゃんだから～」

ゆたゆきさん、それは言わないでほしかった。