妖月探偵事務所【名前変換オリジナル】 (ページ12)

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１１【一難ありそうです Ⅱ 】ページ12

ここまで反対されるとは思っていなかったので若干ショックを受けてしまいほとんど空気状態だった私に、先輩が話しかけてくれた。

「糸印さん、ここで働いてくれている妖怪はみんな
元々は他の生き物だったんだ。はなよいは蝶だったんだよ」

「へぇ……」

「私のことを勝手に話さないでください！！」

「いいじゃないか。親交を深めるのに大切なことだよ」

「私はこんなやつとつるむ気など………っ！！」

「まーまーそうカッカしないで、よーちゃん」

「黙れゆたゆき！！」

「きゃーこわぁーい」

「はいはい落ち着いて……
はなよい、人だからって偏見は良くないよ」

「で、ですが！お忘れではないでしょう月様！！」

「もちろん忘れてないし忘れられないけど、
今はそれは関係ないよ。糸印さんは大丈夫」

「何故そう言い切れるのですか………！！」

「それじゃあ糸印さん」

「は、はい？！」

「糸印さんは、妖怪が嫌い？」

「え……？」

妖怪が嫌いか。先輩から問われたその言葉は、今まで妖怪と関わったことのない私にとってはどう返せばいいのか分からなかった。始めて見たときは恐怖しかなかったけれど、今はほんの少し怖いくらいになっている。

「今は、嫌いではないと思います。」

「そっか。勿論さっき妖怪の存在を知った訳だから
言い切れはしないことはわかっているよ。
でも、今嫌いだと思っていないのならそれでいいんだ。」

先輩はこのピリピリとした空気に似合わない優しい笑顔をしている。けれど妖怪達の顔は強ばっていて、全く別の場所が繋がっているような状況にも思えた。