１ 【 あ る チ ラ シ 】 ページ1
マフラーに冷えた顔を埋め、二人の親友と家路を辿るいつも通りの時間午後6:30頃。私の前で楽しそうに部活の先輩がかっこよかっただとか女子らしい会話をしている二人のことを見ていると、話に入らずともこちらも楽しくなってくるので基本的に聞き手専門だ。けれど、話をふられたりしたときはもちろん入る。
二人が立ち止まったのでどうしたのだろうかと思いながら私も立ち止まる。すると、二人が私の方を向いて今話していたのであろうことについてどう思うか聞いてきた。
「ちょっと聞いてよA！ 藍ったら西野先輩が
かっこいいとか言ってくるんだよ？！ ありえなくない？！」
「かっこいいじゃーん」
「西野先輩…って苑の部活の先輩？」
「そう！」
話の内容は、藍こと
「ごめん、私その西野先輩ってあんまり知らない…」
「嘘ー！ さっき私の部活の先輩だってわかってたでしょ！」
「それは苑を待ってるときに偶然誰かが話してて名前が聞こえただけ」
「えー、めっちゃ格好いいんだよー
……あ、でもやっぱりかっこいいといーえーばー？」
にやり、とした笑みを浮かべた藍を見て、同じように苑もにやりとする。そして息をあわせて、私も知っている格好いいと人気のある先輩の名前を出した。
「月霧先輩だよねーっ！」
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作者名：ひいら | 作成日時：2019年1月20日 21時
