死して償う我が罪に ページ6
戦争が始まっている。
腹部を撃たれ、腿を撃たれ、今だけは前線に近い路地へ隠れた。
考える時間が惜しいと言うのに。
何故だか頭だけは冴えた。
これが走馬灯とでも言うのか。
今ある想い。
それは自国への、と言うより、敵国......いや、彼への......想い。
｢ふふっ｣
何故だか笑えてきた。
戦場では沢山の様々な想いが交錯する。
この手で奪った命の大半が、痛みよりも先に想いを叫んでいた。
家族への別離。
愛する人への感謝。
幸せに居られた過去。
死へ対する膨大な恐怖。
他にも沢山の叫びを聞いた。
そして私はその者の息の根を止めた。
死へ対する恐怖。
私は死ぬ事がずっと身近にあった者。
今更それに怖いと思う事は無いけれど、何故だか気を収めることが出来ない。
痛みからなのだろうと思う。
否、そうでなければならないのだ。
嗚呼、もし天罰とか言う物が有るなら......。
物乞い風情が叶う筈も無い事を願った。
故郷を騙し続けて生活している私への...。
約束の為に自らの手を汚した愚か者に対する
最高級の天罰
約束を守れなかった懺悔を抱えて、この陰気臭い路地裏で独り、響き渡る銃声を聞きながら死ぬ。
それは今までの贖いにはなるのではないか。
ならば幸福だ。
今までの罪を死を以て滅ぼせるのなら。
それに敵う幸福はないさ。
そう、全てが許されるのだから。
この戦場で数多くの命をこの手で奪った。
今度は私の命が奪われるのだ。
奪うのなら、今、奪ってくれ。
いたぶり殺しても構わない。
たとえ業火に焼かれても構わない。
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誰かさんの裏垢(プロフ) - アイカさん» 読んでくださりありがとうございます。頑張るので他の作品も読んでください。よろしくおねがいします。 (2018年5月21日 20時) (
レス) id: a5f07e3e68 (このIDを非表示/違反報告)
アイカ(プロフ) - 感動しました！これからも頑張ってください！ (2018年5月21日 16時) (レス) id: c5df0e4c03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：誰かさんの裏垢 x他1人 | 作成日時：2018年5月20日 20時
