血塗られた暗翳 ページ5
ただ荒野を走る夢を見た。
何かに追われている訳でもない。
何処かへ行きたい訳でも無い。
ただただ、荒野を走るのだ。
何故だか怖かった。
きっと誰にも分からない怖さだろう。
永遠に変わらない様な景色を、ただただ訳もなく走る。
痛む足を引き摺り回して走る。
それだけで生きている実感を得た。
気色悪い化け物かと思いつつ、生きているからこそ痛むのだ。
何かを拒絶するから、何かを否定するから、何かを受け入れるからこそ痛むのだろう。
ふと立ち止まる。
そして振り返る。
何かを見た。
見てはいけないものを見た気がした。
それはまるで、自分の過去を見た様な、はたまた醜い化け物を見た様な。
一瞬、だったが見えたのだ。
夕暮れの朱が目に滲みた。
この世の綺麗に嵌らない。
なのに色彩の艶やかな朱だった。
それが懐かしくも怖くも感じた。
前を向こうとした瞬間、一瞬周りが何も見えない動けない位の狭い箱の中に入った様だった。
そして今に至る。
これは悪夢では無いのだろうか。
否、他人によっては違うのだろうが、私には悪夢の様に恐ろしい夢だった。
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誰かさんの裏垢(プロフ) - アイカさん» 読んでくださりありがとうございます。頑張るので他の作品も読んでください。よろしくおねがいします。 (2018年5月21日 20時) (レス) id: a5f07e3e68 (このIDを非表示/違反報告)
アイカ(プロフ) - 感動しました!これからも頑張ってください! (2018年5月21日 16時) (レス) id: c5df0e4c03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:誰かさんの裏垢 x他1人 | 作成日時:2018年5月20日 20時