愛憎豊かなこの憂世 ページ12
...覚悟を決めてから何度目の西陽だろうか。
そんなに隠れた覚えは無い。
気付いた事と言えば、まぁ、仕方無い事だが、命の終わりとか人にとっての危機でも、何故と言う訳でも無い。
空腹にはなるものだ。
隠れて居ないのに何故見つからないか。
血の痕跡が雨により流れ去ったのか。
あるいは意図的に敵兵が隠蔽したのか。
私は待つ間、あるものを作った。
持っていた全ての弾丸から火薬を抜き、破れ気味の国兵服を一部引きちぎり、それを乾燥させ火が点く様にした。
箱に押し潰さない様に、空気が入る様に、だが出来るだけ火薬が入る様に。
辺りの少しと共に爆破出来る位の爆弾を作った。
ただ、ひとつの失敗。
私はこれに火を点けられる気力が無かったのだ。
今、力も無いがきっとその時には出る筈だ。
その時、その時...その時が、その時かぁ...その時ねぇ...その...時って......あぁ...待てども...待てど...も...そ...の時は......その時...か、夢...幻想...に浸...っているの...か......？
？......奥...に光が見える...？
水飛沫が上がって...水飛沫......？
そうか、つまりは人だ。
冴え渡る勘と知識、見え始めた空虚。
人...カイに見えるよ......
いや、顔を見るのは後で後悔を抱く。
目を自分の手に落とし、火を点ける為の最終確認をする。
近付いて来ている。
それと同時に私は火を点けた。
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誰かさんの裏垢(プロフ) - アイカさん» 読んでくださりありがとうございます。頑張るので他の作品も読んでください。よろしくおねがいします。 (2018年5月21日 20時) (
レス) id: a5f07e3e68 (このIDを非表示/違反報告)
アイカ(プロフ) - 感動しました！これからも頑張ってください！ (2018年5月21日 16時) (レス) id: c5df0e4c03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：誰かさんの裏垢 x他1人 | 作成日時：2018年5月20日 20時
