ココロからアイしてイタイ ページ11
想い出は走馬燈の様に死に際を掠める。
死ぬなら彩後を飾らせてくれ。
なんて凡俗な願いがない理由か。
実際、罪を贖うと言い続けてるのは、まぁ些か、誤魔化す様に見えていよう。
本当の事か。
騙し続けたのはただ単なる復讐だ。
約束を護る為では無かったか？
否、そんな戯言、欺瞞に過ぎなくて。
カイと出会う前の遠い過去。
リンゴを3つ4つ抱え、家...とは呼べまいが、小屋にいる母上の元へ向かったら、国兵の焼き討ちにあっていた。
つまり我が母を焼き殺したのだ。
助けもせず、ただ嘲笑う国兵を眺めていた。
今の私は栄誉勲章を貰っている。
軍の許されない存在が栄誉勲章を貰う。
私には最大で最幸の復讐だ。
焼き討ちにした国兵を殺せば良い。
なんて事を思ったなら、そんな浅はかな考えにも程が有る。
そんな少人数を焼き煮たりして殺しても、国自体に傷は入らないだろう。
兵士はいつでも補充出来る“物”なんだから。
【女】である私が栄誉勲章を与えられた。
この国に泥を塗った、良い復讐だろうな。
ただ、私は一つだけ後悔がある。
栄誉勲章に至るまでにあの怨恨の種と......。
否、苦楽を共にした国兵の仲間が死んでいく。
復讐の為に入った軍なのに、死んでいく仲間を見捨てる事は出来なかった。
馬鹿共の集まりだ。
何が正義の為にだ。
そう思っていた私が馬鹿だった。
一度でも仲間を作ってしまうと、“そいつらの為”に必死になってしまう。
母を殺した仇である国に、復讐の意味を込めて尽している。
復讐をしながらも、結果的には尽しているのはどうなのだ。
国の威厳は大きく損ねてやったが、これは復讐になっているとはあまり思えない。
...まだ殺さないのか？
こんなに長々と待たせるとは敵兵も悠長な事。
いや、まだ相手が私を見つけていないのか？
少し考えてしまう。
さっきの妙な既視感。
｢えっ...｣
あれは...カイでは無いか？
敵兵へ愛を向けながら、私は国兵としての正義を貫くのか？
私達は宛らロミオとジュリエットね。
｢ああ、ロメオ。どうして貴方はロメオなの？｣
シェークスピアの四大悲劇は無いけれど、充分に悲劇の物語。
なら、この国の正義の為に
貴方を殺せば良いのだろうか？
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誰かさんの裏垢(プロフ) - アイカさん» 読んでくださりありがとうございます。頑張るので他の作品も読んでください。よろしくおねがいします。 (2018年5月21日 20時) (
レス) id: a5f07e3e68 (このIDを非表示/違反報告)
アイカ(プロフ) - 感動しました！これからも頑張ってください！ (2018年5月21日 16時) (レス) id: c5df0e4c03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：誰かさんの裏垢 x他1人 | 作成日時：2018年5月20日 20時
