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西園寺「今日はありがとうございます!またこんな綺麗な方と生涯ともに過ごせると思うと幸せです」



父「いやいやこちらこそ!無口ではありますが娘もとっても喜んでおります」



申し訳ないが何一つ嬉しくない。親と向こうがただ笑って酒を飲んでいるこの時間が不毛。



A「酔いが回ったので少し外の空気を吸って参ります」



そういい、見合いが行われている旅館の庭に出た瞬間ため息が出た。もう嫌、帰りたい。



??「お姉さん」



疲れすぎて幻聴も聞こえだした。そう思った瞬間、私の前にマントを羽織ったアホ毛を立てた男の子が現れた。



A「きゃっ!」



思わず体が傾き、後ろに転びそうになったが彼の腕が私の腰を支えてくれてそうならずに済んだ。



??「お姉さん見た目とは裏腹になかなか危なかっしいネ」



A「今のは君が急に現れたからでしょ?!」



??「はは、そんな怖い顔したら可愛い顔が台無しダヨ」



顔か…。



A「なんで話しかけてきたの?」



??「話しかけるのに理由なんている?」



A「いるでしょ」



??「じゃあ、強いて言うなら協力して欲しいからかな」



協力?見ず知らずの人に?そんなの絶対嫌。



A「申し訳ないけどそれは無理」



??「えー、じゃあ交換条件ってのはどう?」



A「どんな?」



聞くだけ聞いて戻ろ。



??「明日の午前0時、君を攫いに来る。だけど君の両親や婚約者はとても騒ぎだすと思うからその騒ぎが冷めるまでは君の面倒をみる。冷めたら君の自由だ。どう?悪くないデショ?」



馬鹿げてる。そう思う以上にこの考えが悪くないって思えた。

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作者名:m | 作成日時:2023年5月4日 15時

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