出張54 ページ11
〜Aside〜
視界が明るくなって目を開ける。見渡せば病院ということがわかった。それに総悟が寝ていることも。私は途切れ途切れでしか話せないが今思ってることを全部総悟にぶつける。今は総悟に謝られている最中だ。
沖田「でも!…」
A「もう、、へー、きだ、よ?失う、ものが、、な、いか、ら」
そう、私に失うものなんてない。汚れた私はすごく醜いであろう。
A「お、、嫁に、いけ、、な、そう」
笑いながらそう言う。このことを笑い話してやろうって。いつまでもクヨクヨしてられないから。
沖田「…だったら俺が貰ってやるよ」
A「え、?」
まだ自分を責めているの?
沖田「俺がAを嫁に貰ってやる。これは守れなかったからとかじゃねェ、てめぇのことが好きだからでさァ」
真剣な顔で私の心を見透かす彼にはお手上げだ。まさか私の恋が実るなんて思わなかった。
A「わた、しも、、だいす、き」
私の想い。
泣きながらでごめんね。でもそれくらい嬉しくて幸せなの。
沖田「野郎にされたことなんて俺が忘れさせてやらァ。だから結婚前提に俺と付き合ってくだせェ」
私の不安も全部全部受け止めている彼なりの告白。答えはもう決まっている。
A「は、い」
そう答えると同時に彼の温もりが私を包んだ。見合い相手とは違う安心させてくれる私の大好きな温もり。
沖田「そろそろ起きたって電話しねぇとな」
そう言い離れてしまった。まだ抱きしめていたいって思ったのは私だけの秘密。
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作者名:m | 作成日時:2023年2月2日 2時