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「俺の場合、本気で報復するなら社会的に制裁する。具体的には刑務所に終身刑で叩き込む。死刑にしない匙加減で、檻から二度と出られないようにする」
声のトーンは淡々としていた。ふざけているそれではなく、すなわち本気かつ真面目の声色で、実際その状況になれば確実に遂行するだろう。
純丘Aはそういう人間だ。
「おそらく君が期待するような反応は返さないぜ」
「……残念だ」
本当に至極残念そうな口振りだった。不満げに眉をひそめるさまばかりは年相応だが、匂わせることに可愛げの欠片もない。
Aはもう一度、小さく息を吐き出した。彼が知り合う年下たちは、大抵の場合物騒が過ぎる。
「いーな、うどん」
その直後のタイミングで帰宅した堤は、こちらも不満げにつぶやいた。ごちそうさまでした、と手を合わせたAはそのまま立ち上がる。
「純丘くん」
「うどんな。作る作る」
「次は肉を」
「一人分じゃ足りなかったか……」
なぜ堤が寺野を拾ったのか、その理由をAは最後まで聞かなかった。
ちょっかいをかけても望む反応はないと既に判明している。最悪なにかが起きても、
寺野南という少年は、普通に過ごしていればまず再会することもないだろう。二度と会わないならそれでいい。
灰谷兄弟とも繋いでいないので、堤はもちろん、Aが会う確率も限りなく低い。
自宅にて、室内には消したはずの電灯がともっていた。Aは半目になったのち、玄関を開ける。
「ただいまー」
「めしー。おかえりー」
「おかえりー。めしー」
でろんとベッドに寝転がって呻く蘭。卓袱台に寄りかかってぴこぴこゲームをする竜胆。「飯は作らなきゃねえなあ」Aはのんびりつぶやいた。
ところでおかえりより飯が先だったのどっちだ、蘭か？
「じゃあ作って」
ごく当然と言わんばかりの竜胆の一言。
「俺今日飯食ってきたから」
「はー！？ ずる」
「ズルもなにも、君らいつもアポもねえくせに……」
「まァしょうがねえよなあ。俺ら腹空かせて待ってたけどなあ。フクブが一人で飯食ってきたってなら仕方ねえよなあ。きっとお優しい副部長なら部員の空腹を無視しねえと思ったけどなあ。そーいうこともあるよなあ」
ベッドから顔を上げた蘭は、ニコニコと笑みを浮かべている。ニコニコと笑みを浮かべて、瞳孔は完全に開いていて、視線はガッチリとAを捉えている。
言外の圧力に耐えることたっぷり一分。
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-Doe(プロフ) - いにみっちょさん» ありがとうございます。彼らの邂逅は今回は主題ではないのでさらっと流れますが、いつか再登場するのでお楽しみに。 (2022年9月28日 19時) (
レス) id: cbde0663a4 (このIDを非表示/違反報告)
いにみっちょ(プロフ) - 更新ありがとうございます✨サウス出てきた〜！と思ったら大寿くんと再会？！また面白い流れでワクワクして読ませてもらってます！ (2022年9月28日 15時) (レス) @page44 id: 2cf0cd68b6 (このIDを非表示/違反報告)
-Doe(プロフ) - 深月さん» ありがとうございます。読んでくださる方々に素敵だと思っていただけることがなによりも励みになります。気ままに読んでくださると幸いです。 (2022年9月25日 23時) (レス) id: cbde0663a4 (このIDを非表示/違反報告)
深月(プロフ) - 初コメ失礼します！ こんなに素敵な小説なのに評価が少なくてとても悔しい思いです。応援しているので、これからも更新頑張ってください！ (2022年9月25日 23時) (レス) id: 7c4abecb60 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：-Doe | 作成日時：2022年9月7日 0時
