第113話 Home video ページ17
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東京卍會は解散し記念写真も撮った。写真を現像してみんなに配って、いつも通りの平穏な生活がまた動き出そうとしていたある日。
エマの遺品整理中に1つのビデオテープを見つけた。
こんなのあったっけ？と不思議に思いデッキに読み込ませると始めの砂嵐が晴れ、それはすぐに再生された。
真『よーし映ってんな』
貴「……真一郎だ…」
真一郎の声がぶわりと風が吹き抜けたように忘れかけていた記憶を一気に思い出させる。閉め切られていた引き出しが全て開いたような感覚。
思い出を取り戻すようにそれを見ていた。
エ『ふーふふーん、ふふーん』
貴『あ、万次郎やっと起きたーって…
……何撮ってるの？』
エ『えぇ！？やめてよ！！
恥ずかしいでしょ！！』
貴『エマは恥ずかしがり屋さんです♡』
エ『ちょっとA！？』
貴『ごめんて、怒んないで〜』
これは
最初は万次郎(4歳)がハイキックでビンの蓋を一発で取っているのを真一郎が驚きながら撮っていた。
それから切り替わり、朝ご飯の支度をしている私とエマに新聞を読んでいるおじいちゃん、漬物をつまみ食いしている真一郎。なんて事ない日常を撮っているのは万次郎だ。
その後は終わりなのか砂嵐の画面が続くのみだった。
食い入るように見ていたのでプツンと集中力が切れる。一旦休憩でもしようかと思った時に万次郎が話しかけて来た。
万「A？何してんの？」
貴「お、ナイスタイミング〜
懐かしいもの出てきたから一緒に見ようよ」
万「別にいーけど
懐かしいものってナニ？」
万次郎にも同じものを見せると驚いたようにそれを見ている。短い映像だったが私たち2人を物寂しい気持ちにするには充分だった。
兄妹半分になっちゃったなぁ。
なんて思いたくもないことを思ってみたり。
万「……なぁ、これまだ録画出来る？」
貴「もちろん
テープに余りあるから上書きしないでいけるよ」
万「それオレにちょーだい♡」
貴「ハイハイ、どーぞ」
デッキから取り出し、万次郎に渡す。
満足そうにそれを受け取った兄はビデオカメラの在り処も聞いてきた。数日後の解散記念であるタイムカプセルを埋める様子でも撮るのだろうか。
貴「…何か撮るの？」
万「んー？ナイショー！」
*
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てる。 - 初コメ失礼しました！最初は恋愛系かな？？と思っていて読んでいたらバリバリの感動系で深夜に声を上げて泣いてしまいました(T ^ T) (2023年4月11日 0時) (
レス) @page3 id: 01aa01ae14 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ - 更新楽しみに待ってます。泣 (2022年11月20日 22時) (レス) @page31 id: e007552609 (このIDを非表示/違反報告)
はむはむ(プロフ) - 更新楽しみにしております。 (2022年11月16日 12時) (レス) @page31 id: 9534e4617e (このIDを非表示/違反報告)
湯豆腐 - この小説大好きですっ！！もうめちゃくちゃ感動できます！！更新楽しみにしてまーす！ (2022年5月25日 19時) (レス) @page31 id: 8d5c2ab10a (このIDを非表示/違反報告)
no_(プロフ) - この作品がとても大好きです。更新されるまで待ってます。 (2022年5月15日 17時) (レス) id: c80cd65ba9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あたた | 作成日時：2021年9月25日 18時
