【東卍】私の幸せ【三ツ谷隆】

第47話 Friend ページ49

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貴「…エマ、走って逃げて」


エ「でも、」


貴「いい？私に何があっても万次郎には言わないで
ドラケンか三ツ谷呼んで」


エ「Aッ！」


貴「そんな顔しないで
大丈夫だから、ね？」



泣きそうになっている妹を安心させるように笑顔で頭を撫でる。

眉を下げ涙をこらえている顔を見て心が少し痛んだ。
…またエマを泣かせてしまったなぁ。


すぐにドラケンを呼んで来ると言ってエマは走って行った。それを追わないということは標的は私だけか。



虎「あれ、今のエマ？
キレーになったじゃん」


貴「そうでしょ
一虎も前よりそっちの方が似合ってるよ」


虎「は？嫌味かよ」


貴「そう聞こえたなら謝るけど」



走る緊張はピリピリと肌を突き立てる。

ここで喧嘩をしたら絶対に駄目だ。
私に何かあれば万次郎は更に一虎を許せなくなる。
間違いなく殺す。



貴「…ねぇ、一虎
こんな争いやめようよ」


虎「Aには関係ない」


貴「あるよ
私は一虎の友達だから」


虎「ウッセェ
オレはもうあの頃のオレじゃねぇ」



それでも、私は一虎を友達だと思っている。

私の目が気に入らなかったのか一虎は舌打ちをして芭流覇羅のメンバーの中に戻って行った。


そして冷たく告げる。



虎「殺せ。マイキーの妹だ」


「え！？でも決戦は明々後日じゃ…！」


虎「うるせぇ」



抗議したメンバーの1人を真顔で殴る一虎。
そいつは一虎の一発で壁に打ち付けられ気を失った。

それを見た他のメンバーは恐れを見せ私に敵意を表す。



虎「───殺せ」



一虎の一言で一斉に襲い掛かる奴ら。

折角数がいるのに統率が取れていない。
ただ殴ってくるだけ。雑魚。



貴「ッはぁー…」



だと思ったがなんにしても数が多い。

いつの間にか一虎いなくなってるし…
最初より人数が多くなってるのは気のせいではない。


そんな時だ。
三ツ谷のインパルスの音が聞こえたのは。


あともう少しの辛抱だと一瞬。
一瞬だけ気を抜いてしまった。



「オラァ！！」



後ろに回り込んでいる奴がいた事に気づかなかった。

目のふちで棒状の何かが振り下ろされるのが見えたが避ける事は出来ずガンッと鈍い音だけが響いた。





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